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第1部 特集 日本復活になぜ情報通信が必要なのか第3章 日本復活へ向けた3つの挑戦
みんなでつくる情報通信白書コンテスト 一般の部 優秀賞受賞コラム
窓を開ければ…… 執筆 宇田 一紘さん(無職・東京都練馬区) コメント インターネットデビューの素直な感想です。 ワープロを使い始めたのは早かった。でもパソコンへの移行は躊躇し続けていた。そしてパソコンを使うようになってからも、ワープロの代用品として使用するだけで、インターネットへの接続は拒否してきた。 「調べ物に便利だぞ」と勧める友人には、「ものを調べるのに、便利である必要はない。あっちこっち廻り道するのが楽しいのさ」と反論してやった。そして「インターネットは世界に向かって窓を開けるのと同じだぞ」と誇らしげにいうやつに対しては、「窓を開けたら、そこから余計な闖入者が飛び込んでくらあー」と憎まれ口を叩いてきた。 こんな私がインターネットに接続したのは三、四年前のことである。卒業以来四十数年ぶりに、初めて高校の同期会に出席したのがきっかけだった。 色々な行事のスケジュールはメールで通知されているということだったし、会のホームページも開設されていた。それを知った私は遅ればせながら、ついにインターネットへの接続を決意した。しかし自分では、それができない。息子に頼み込んで、やってもらった。そして早速、会のホームページを見ることにした。私もやっと“窓を開けた”わけである。「窓を開ければ……」と淡谷のり子の『別れのブルース』を口ずさみながら、息子に教えられた通りにパソコンを操作していった。するとディスプレーに現れたのは、元気な同級生たちの情報だった。海外からの便り、画家として活躍している人、四国をお遍路で巡った人、旧日光街道を歩き続けている人、誰もが私と同じ年齢なのに、そのバイタリティには圧倒されてしまった。 いまのところ、余計な闖入者が飛び込んでくることもない。ただ問題なのは、同級生たちの元気な情報を見て羨ましく感じているだけで、自分から情報を発信していないことである。それが残念でならない。 「なにかホームページに掲載することはないだろうか?」 そう思って身辺を見まわしてみたのだが、適当な題材はなかった。でも確実にいえることが、ひとつだけある。 窓を開ければ……、 そこにあったのは、同級生たちの若々しく、いまも青春を謳歌している姿だった。一日でも早く、この窓から飛び出し、私も同級生たちと同じ青春の中へと入っていきたいものである。
JASRAC 出0907642-901
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