平成21年版 情報通信白書

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第1部 特集 日本復活になぜ情報通信が必要なのか

第3章 日本復活へ向けた3つの挑戦

(3)「つながり力」と情報通信利用への不安感

●「つながり力」の高まりにより不安感が低下する可能性
 以上のような特徴を持つ「つながり力」指標を用いて、情報通信利用に対する不安との関係を見てみよう。
 図表3-3-4-5は、「つながり力」の高低別に情報通信利用に対する不安感をみたものである。情報通信を利用することに不安を感じる人の割合(「不安がある」「どちらかといえば不安がある」の合計)は、「つながり力」が低いグループは49.5%、中グループは45.3%、高いグループは44.8%となり、「つながり力」が高まると不安が低くなる傾向が緩やかながら見られた。
 
図表3-3-4-5 「つながり力」の違いによる不安感
図表3-3-4-5 「つながり力」の違いによる不安感
(出典)総務省「ユビキタスネット社会における安心・安全なICT利用に関する調査」(平成21年)
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●家庭生活者と高齢者では、特に「つながり力」の高まりによる不安低下の効果が大
 国民全体で見たときには、「つながり力」の高まりによる不安の減少の効果は限定的であったが、利用者層によっては「つながり力」の高まりが不安感の低下により効果を発揮する可能性がある。そこで、利用者層別に「つながり力」と不安感の関係を分析したところ、特に家庭生活者層と高齢者層については、「つながり力」が高いグループになるほど不安感が小さくなる傾向が顕著となった。図表3-3-4-6はその結果を図示したものであるが、「つながり力」の低いグループと高いグループの間では、不安と回答した人の割合(「不安がある」「どちらかといえば不安がある」の合計)の差は、家庭生活者層で15.6ポイント、高齢者層で9.9ポイントとなった。
 
図表3-3-4-6 家庭生活者層と高齢者層のつながり力の違いによる不安感
図表3-3-4-6 家庭生活者層と高齢者層のつながり力の違いによる不安感
(出典)総務省「ユビキタスネット社会における安心・安全なICT利用に関する調査」(平成21年)
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 図表3-3-3-1でみたように、家庭生活者層と高齢者層は情報活用能力の低い利用者が半数近くを占めている。また、図表3-3-4-2では、家庭生活者層と高齢者層は、コミュニティに参加していないか、オフラインコミュニティのみに参加している人が圧倒的に多い傾向がみられる。したがって、これらの利用者層に属する人は、情報活用能力を高めつつ、オンラインコミュニティにも参加し、オフライン・オンライン双方のコミュニティの相乗効果によって「つながり力」を高め、その結果として不安低下の効果が期待できる可能性がある。

 第3節 Trust:安心してネットが使えるための「電縁」

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(2)コミュニティ参加を反映した「つながり力」指標 に戻る (4)地縁・血縁に「電縁」を重ねることで、安心なネット社会へ に進む