平成21年版 情報通信白書

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第2部 情報通信の現況と政策動向

第5章 情報通信政策の動向

(3)電気通信サービスにおける安全・信頼性の確保

ア 安全・信頼性の確保
 総務省では、電気通信サービスの安全・信頼性を確保するため、法令において設備の技術基準を定め、これを担保するために電気通信主任技術者の選任義務や管理規程の届出義務を課し、さらには、ガイドライン「情報通信ネットワークの安全・信頼性基準」の活用の促進を図ってきたところである。しかしながら、ネットワークのIP化が進展し、様々な新しいIP系サービスの利用が拡大する一方で、IP系サービスにおける通信障害等について、事故件数が増加、大規模化、長時間化する傾向にある。
 このような状況に対応するため、情報通信審議会において審議がなされ、平成19年5月に「ネットワークのIP化に対応した安全・信頼性対策」、20年1月には「ネットワークのIP化に対応した安全・信頼性基準」について一部答申を受けた。これらを踏まえ、総務省は、IP化するネットワークのシステム管理・人材の在り方について意見集約することを目的に、平成20年4月に「IPネットワーク管理・人材研究会」26を開催し、21年2月に最終報告書を取まとめ、公表した27
 この中で、IP化の進展に対応した電気通信主任技術者のスキル、電気通信主任技術者資格試験等の見直し等について検討がなされている。

イ 重要通信の確保
 災害の救援、社会インフラの確保、秩序の維持のために必要な通信等の重要通信については、天災、事変等の非常事態が発生した際においても、その疎通を確保する必要がある。
 近年のネットワークのIP化の進展により、電気通信事業者が所有する設備も変化しつつある状況等を踏まえ、総務省では、電気通信事業においてIP化されたネットワーク等における重要通信の高度化の在り方について検討を行うため、平成19年11月から20年5月まで「重要通信の高度化の在り方に関する研究会」を開催した28。同研究会では、
[1] 重要通信の対象
[2] 重要通信の疎通の確保
[3] 緊急通報等
[4] 電気通信事業者間の連携・連絡体制
等について検討を行い、報告書を取りまとめたところであり、これを受けて、重要通信の高度化に向けた施策に積極的に取り組んでいるところである。


26 参考:IPネットワーク管理・人材研究会:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/ip_network/index.html
27 参考:「IPネットワーク管理・人材研究会」報告書の公表:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/090218_5.html
28 参考:重要通信の高度化の在り方に関する研究会:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/jyuyou-t/index.html

 第3節 安心・安全なユビキタスネット社会の構築

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