平成21年版 情報通信白書

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第2部 情報通信の現況と政策動向

第5章 情報通信政策の動向

(1)コンテンツの製作・流通環境の整備

ア コンテンツの利用・流通に係るルール等の在り方
 近年、インターネットを介した映像配信サービスの利用者の増大、地上デジタル放送の普及等コンテンツの流通を取り巻く環境は大きく変化している。そのため、コンテンツの利用に関する制度や、著作権保護技術の現状、諸外国の状況等を踏まえたインターネットやデジタル放送におけるコンテンツの利用ルールに関する基本的な考え方や今後のコンテンツの流通ルールの方向性について、情報通信審議会「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」において集中的な検討を進めている。

イ コンテンツ取引市場の形成に向けた取組
 情報のデジタル化、ネットワーク化の進展に伴い、放送コンテンツの二次利用やこれに伴う取引を促進し、コンテンツ取引市場の形成と拡大を図っていくことは、我が国がコンテンツ大国の実現を目指す上で不可欠である。
 こうした観点から、総務省では、民間主導による取引市場の創出を推進するべく、著作権の所在及び手続の透明性等の取引の現状整理や、取引市場の形成に向けた具体策として、製作者の持つコンテンツに関する情報を集約・公開するデータベースの構築に向けた検討及び実証実験を進めている。
 また、コンテンツ取引の促進及び取引市場の形成に資するべく、「コンテンツ取引市場の形成に関する検討会」(平成19年8月最終報告)の提言を受け、社団法人デジタルメディア協会が主催するAMDアワードにおいて、平成19年から新たに企画部門(マルチユースコンテンツ)を創設し、自ら資金とリスクを負担する意思のある多様なコンテンツ製作者が行う、積極的なマルチユース展開に対し、製作や流通面での協力検討体制を整備している。

ウ 放送コンテンツの製作取引の適正化の促進に関する検討
 近年、放送コンテンツにおける製作者の重要性は増大しており、製作環境を改善し、インセンティブの向上を図る観点からも、取引の適正化の要請が高まっている。
 総務省では、こうした状況を踏まえ、放送コンテンツに係る製作取引の現状を検証するとともに、ガイドラインの策定やフォローアップ体制の整備等、より適正な製作取引の実現に向けた具体策の検討を行うこととして、平成20年1月から「放送コンテンツの製作取引の適正化の促進に関する検討会」を開催している。また、同検討会の議論の結果を受け、平成21年2月に、「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」を策定・公表したところである27。本ガイドラインにおいては、製作取引について、下請法や独占禁止法等の法令を対象に、問題となりうる事例や留意点、望ましいと考えられる事例の例示等を行っている。今後も引き続き検討を行うとともに、適宜ガイドラインの見直しやフォローアップを行う。

エ ネットワークを利用した不正なコンテンツの流通の防止
 インターネットのブロードバンド化に伴い、動画投稿サイト等における不正なコンテンツの流通が拡大していることから、総務省では、不正流通による被害状況や対応策等についての調査を行い、官民連携による不正な映像コンテンツの流通防止対策等について検討している。


27 参考:「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」の策定について:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/090225_7.html

 第4節 豊かで活力あるユビキタスネット社会の構築

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