平成21年版 情報通信白書

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第1部 特集 日本復活になぜ情報通信が必要なのか

第3章 日本復活へ向けた3つの挑戦

(2)オンライン裁判所(シンガポール)

●次世代ウェブアプリケーションや第3世代携帯電話を活用した法曹関係者向けのサービスを提供
 シンガポールでは、2000 年にオンライン調停システム(e-Alternative Dispute Resolution:e@dr)を開始した。2002 年には世界で初めてインターネットを利用したオンライン裁判所(justice online)を試験的に開設し、一定の手続3をオンラインで処理するサービスを下級法院と最高法院の両院で開始している。図表3-2-3-3は「justice online」の下級法院の入り口画面であるが、現在提供されている「justice online2」では、デジタルテレビ会議システムを通じて弁護士がオンラインで裁判審理の予約や参加をすることができる。また図表3-2-3-4のように、第3世代携帯電話で移動中でも弁護士が裁判官と電話会議を行うことができる。「justice online2」に移行してから、裁判所が1日に行う審理手続のうち5〜6時間は、「justice online2」を通じて行われるようになっている。
 
図表3-2-3-3 シンガポール下級法院の「justice online」のウェブサイトの画面
図表3-2-3-3 シンガポール下級法院の「justice online」のウェブサイトの画面
「justice online」のホームページを引用


 
図表3-2-3-4 「justice online」の第3世代携帯の画面
図表3-2-3-4 「justice online」の第3世代携帯の画面
「justice online」のホームページを引用


 シンガポールは、第2章第2節の情報通信の「基盤」についての評価は、ICT先進7か国中6位となっており、ブロードバンド普及率や第3世代携帯比率では遅れをとっている状況であるが、このような双方向ウェブアプリケーションやモバイル技術を公的サービス分野に積極的に取り入れているのが特徴的である。


3 justice onlineで行える手続は、[1]民事法廷事務局での手続(正式事実審理前の中間申立(係争性及び非係争性)、係争性のない租税審理、係争性のない検認審理、レジストラーの上訴等)、[2]家事審判上の手続(状況の協議、正式事実審理前協議等)、[3]刑事訴訟における公判前協議、[4]裁判上の紛争解決のための和解協議となっている

 第2節 Collaboration:国民的課題を克服するための「協働」

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