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第1部 特集 日本復活になぜ情報通信が必要なのか第3章 日本復活へ向けた3つの挑戦
(4)企業の情報活用能力の高低別特徴
●業務における情報通信利用が進んでいない業種は、情報活用能力が低い企業が多い 国民については、情報活用能力の高い人の方が情報通信の利用に対する不安が小さい傾向があることが明らかになったが、企業でも情報活用能力の高い組織であるほど、企業全体としての情報通信利用に対する不安が小さくなることが予想される。 企業において情報システムを円滑に利用するには、情報システムを導入するだけでは不十分であり、情報活用能力の高い従業員が多くいることが必要である。そのため、本分析では、企業全体の情報活用能力を測る指標として、各企業における情報システム活用に関する人材の育成・確保のための取組数を用いた。 具体的には、[1]従業員の社内研修の充実、[2]従業員の社外における自己啓発に対しての支援の充実、[3]ICT専門の人材の新卒採用、[4]ICT専門の人材の中途採用、[5]ICT専門の人材派遣会社からの派遣、のうち、複数(2個以上)の取組を行っている企業を情報活用能力の高い企業、どれか一つでも行っている企業を情報活用能力が中程度の企業、どれも取組を行っていない企業を情報活用能力が低い企業とした。 業種別に情報活用能力を見ると(図表3-3-3-9)、情報通信業や製造業、金融保険業といった、業務における情報通信利用が進んでいる業種において情報活用能力の高い企業の割合が高くなっている。一方、建設業や卸売・小売業においては情報活用能力の低い企業の割合が2割以上となっており、これらの業種においては、上記のような人材育成・確保のための取組を行っていない企業が多いことが分かる。
図表3-3-3-9 業種別の情報活用能力の高低分布
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●中小企業に情報活用能力の低い企業が多い 一方、従業員規模別に情報活用能力を見ると(図表3-3-3-10)、従業員規模が大きくなるほど、情報活用能力の高い企業の割合が高くなっている。大企業では情報活用能力の高い企業の割合が多い一方で、中小企業では少なく、情報システム活用のための人材育成・確保のための取組を行っていない中小企業が多いことが分かる。
図表3-3-3-10 従業員規模別の情報活用能力の高低分布
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