平成21年版 情報通信白書

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第1部 特集 日本復活になぜ情報通信が必要なのか

第3章 日本復活へ向けた3つの挑戦

コラム 「地縁」と「電縁」がもたらす育児世代の不安解消−浜松市子育て情報サイト「ぴっぴ」−

 オンラインコミュニティとオフラインコミュニティの組合せで「顔の見えるネットワーク」を築くことは、情報通信利用への不安を減少させるだけでなく、日常生活での様々な不安解消につながる可能性も秘めている。何かと不安や孤独感に陥りがちな育児世代の活用事例として、「はままつ子育てネットワーク『ぴっぴ』」が挙げられる。
 「ぴっぴ」は、NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴが浜松市と共同で制作・運営している子育て支援サイトである(図表1)。子育て中の親の視点に立った使い勝手の良い子育てサイトとして注目されており、平成18年度には「日経地域情報化大賞2006」の日本経済新聞社賞を、平成21年度には総務省「u-Japanベストプラクティス2009」の地域活性化部門賞を受賞している1
 
図表1 「ぴっぴ」のトップページ
図表1 「ぴっぴ」のトップページ
「ぴっぴ」のホームページを引用
http://www.hamamatsu-pippi.net/

 「ぴっぴ」は、サイト開設前に実施したニーズ調査によって明らかになった、子育て中の親が持つ「知りたい」「相談したい」「つながりたい」という三大欲求に応える形でサイトが構成されているのが特徴である。特に「つながりたい」のページでは、目的や地域を選ぶことで、自分にあった子育てサークルや子育て支援センターを探すことのできるデータベースや、サークルの活動内容を知ることのできるブログ等、子育ての輪を広げるための情報が多数提供されている。また、子育て中の親のためのSNS型コミュニティサイト「ぴーこむ」では、様々な種類のオンラインコミュニティが開設されて会員同士の情報交換が活発に行われるとともに、同じ地域の会員同士の「オフ会」も催されている(図表2)。「ぴっぴ」を中心として、地域のオフラインコミュニティ(地縁)とネット上のオンラインコミュニティ(電縁)の双方を組み合わせることで子育て中の親のつながりを広げ、悩みや不安等を皆で協力して解決するための仕組みが提供されている。
 
図表2 「ぴーこむ」の会員同士の「オフ会」の模様
図表2 「ぴーこむ」の会員同士の「オフ会」の模様
 このように、「ぴっぴ」は、オンラインとオフラインの相乗効果を高める「電縁」のモデルケースの一つといえるであろう。



1 参考:u-Japanベストプラクティス2009優秀表彰事例(http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ict/u-japan/090601.html

 第3節 Trust:安心してネットが使えるための「電縁」

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