平成21年版 情報通信白書

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第1部 特集 日本復活になぜ情報通信が必要なのか

第2章 世界経済の変動と日本の情報通信

コラム 日本の情報通信基盤は、本当に世界最先端の水準か?

 本節2.(1)で、日本の情報通信基盤がICT先進国7か国の中で1位の評価となったが、世界すべての国・地域の中でも日本が1位と理解して良いのだろうか。ここでは、類似の国際比較調査を2つ紹介しよう。

1)オックスフォード大学等による「ブロードバンド品質スコア」
 英オックスフォード大学とスペインオビエド大学は、2008年9月に「ブロードバンド品質スコア(BQS)」を公表した。この調査では、ダウンロード速度、アップロード速度、遅延時間に関する3つの指標を用い、欧州、北米、OECD加盟国、BRICs等42か国のブロードバンド品質を評価した結果、図表1に示すとおり日本が1位となっている。また、現在のアプリケーション(ウェブページ閲覧、音楽ダウンロード等)と次世代のアプリケーション(遠隔医療、高精細IPTV、家電自動制御等)に必要となる品質基準値は、それぞれ32と75とされており、これらの基準値を超えているのは日本のみである。なお、ブロードバンド品質スコアとブロードバンドの世帯普及率の二軸で各国を評価し、前者が特に高い日本と後者が特に高い韓国を「ブロードバンドリーダー」と位置づけている。
 
図表1 ブロードバンド品質スコアの国際比較
図表1 ブロードバンド品質スコアの国際比較
“A global study of broadband quality September2008”により作成
http://www.sbs.ox.ac.uk/news/media/Press+Releases/New+High-Quality+Broadband+Study.htm

2)国際電気通信連合による「デジタル利用機会指数」
 国際電気通信連合(ITU)は、情報社会の進展度を定量化するための「デジタル利用機会指数(DOI)」を公表している。この指数は「利用機会」「基盤」「利用」の3分類に基づくインターネットや携帯電話等の料金や普及率、ブロードバンド比率等の計11指標を集計したもので、世界181か国・地域の評価を行ってランキングを作成している。図表2は2007年の評価結果を示すが、韓国が1位、日本が2位となっている。
 
図表2 デジタル利用機会の国際比較
図表2 デジタル利用機会の国際比較
ITU“Digital Opportunity Index (DOI)”により作成
http://www.itu.int/ITU-D/ict/doi/index.html

 このように、各種調査結果をみても、日本が世界最高水準の情報通信基盤を誇るという評価でほぼ共通していると考えられる。

 第2節 総合評価で立ち遅れる日本の情報通信

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