平成21年版 情報通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
目次の階層をすべて開く目次の階層をすべて閉じる

第2部 情報通信の現況と政策動向

第4章 情報通信の現況

みんなでつくる情報通信白書コンテスト 小・中学生の部 優秀賞受賞コラム

僕とICTの交際方法
 
執筆 村上 修斗さん(広島県海田町立海田東小学校6年(当時)・広島県安芸郡)
村上 修斗さん

コメント 僕はICTと付き合う中で、強さと人を思う心を得て中学生になります!

 僕は今、小学校のホームページの「児童ブログ」の編集長をやらせていただいています。学校での様子をブログに載せて、多くの人に見てもらうと言う事は、僕にとってとてもやりがいのあることでした。
 ここで、どうして僕が「児童ブログ」を担当するようになったかお話します。
 僕が初めてパソコンをするようになったのは、2歳のころからだと母から聞きました。勿論その頃の記憶は残っていません。最初は、お遊びソフトや学習ソフトなどをやっていました。その後は、インターネットという僕の興味のある事に、ほぼ答えてくれるツールに出会い今まで付き合ってきています。キーボードを打つという作業は自然と身に付きました。
 ある日、僕に悪夢のようなことが起こりました。学校で一人ぼっちになった様な気持ちになったのです。友達が家には遊びに来るんだけど、学校では誰も僕と話をしてくれなくなったんです。だから、学校に行きたくなくなって、沢山沢山泣きました。お母さんも一緒に泣きました。お母さんは、担任の先生や、校長先生と話をして僕を学校に行かせようと必死の様子でした。でも僕は、一人になるのが嫌で学校に行くのが恐くて「行きたくない!」って言い続けていました。
 その時に先生が「学校のHPの中に児童ブログを作るんだけど、村上君パソコン得意だからやってみない?」と声を掛けてくださいました。パソコンやブログが大好きなので、僕は「やります!」と即答しました。
 それからは毎日、デジカメを首にぶら下げて、ブログに使えるネタを逃すまいとアンテナを張って学校に行っていました。
 その後少しして「広島県HP大賞」で僕の学校のHPが候補に挙がりました。僕はライバル校のHPがどのようなものかを色々調べてみたところ、うちの学校のように、児童の目線で、児童が作り上げるブログのあるHPは我が校だけでした。僕は、誇らしい気持ちと、先生への感謝の気持ち、これからもっと頑張らないと、というプレッシャーが一気に沸いてきました。惜しくも大賞は逃しましたが、僕の心の中で変化があったような気がします。今までの「やらないと」という気持ちが「もっと良いものに、もっと沢山の人に見てもらいたい」という風に。そうしたら、学校での現状はあまり変わっていませんでしたが、いつの間にか、学校に行くのが前より嫌ではなくなっていました。
 ブログ編集者によってはコメントをしてくれたり、または記事の最後にそのコメントの返答をしたりする人もいるので、ブログってみんなと繋がる手段としてよい方法だなと思いました。
 家でのパソコンの用途は、掲示板に何か書き込んで見ず知らずの人と話したり、興味のあるものの情報収集、音楽、画像を楽しんだりという方法でICTと関わっています。
 掲示板では、現実で知り合っている人以外の人と相談ができたり、自分が知らない情報を教えてもらったりすることができます。それと、最近話題になっているゲーム機のWiiやPS3などの、遠くの人とも通信を通して一緒に遊べるゲームで遊ぶ約束をしたりすることもできます。また、掲示板とは別に、チャットというリアルタイムで会話できるものもあり、こちらは掲示板とは違い、すぐに返事が来るので、それだけ速く情報を集めることもできます。
 しかし、掲示板やブログも必ずしもいい事ばかりとは言えません。
 掲示板やチャットには中傷行為を行う人や同じ文字の羅列を何度も書き込んで掲示板に負担をかける人がいます。また、最近では学生の中にパソコンやネットワーク機能を持った携帯電話やゲーム機を持っている人が多いので、掲示板に嫌いな人の悪口や殺人予告を書いたりする人が多くなっています。中学生くらいでもその被害にあう恐れもあると思います。間違った使い方をしてしまうと、人を傷つける武器となってしまうことがあるのです。僕は全ての人が安全に安心にインターネットを使うことができれば、僕のように心が軽く明るくなれる人が増えると思います。
 先日卒業式を迎えました。僕はあまり意識してなかったけど、母から「すごくいい笑顔で退場していたね」と言われました。確かに、ブログを始める前と今では、心の軽さが違います。
 そして、嬉しかった事がもう一つ、それは、僕らがやってきた「児童ブログ」を今の5年生が引き継いでくれることになったんです。それも、5人もの後輩達が! 誰が見てくれているかは分からなかったけれど、その中に後継者が5人も手を挙げてくれるなんて……僕が始めた頃には、とても想像が出来ませんでした。
 もう一つ変化がありました。頑張っている僕の姿を見て、お母さんが学校の役員を凄く張り切ってするようになったのです。僕の頑張りが人に伝わったのです。
 僕は4月から中学生になります。しかし、これからも時々小学校へ来て、新6年生(ブログ委員)にアドバイスしたり、児童ブログで近況を知らせたりして、少しでも安心して後輩達が中学校に上がってこれるように、情報を与えていきたいです。

 第1節 インターネットの利用動向

テキスト形式のファイルはこちら

(6)青少年のインターネット利用 に戻る 第2部第4章第1節3(1)電子政府の推進 に進む