平成21年版 情報通信白書

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第1部 特集 日本復活になぜ情報通信が必要なのか

第3章 日本復活へ向けた3つの挑戦

2 国民・企業の三大不安

(1)国民の情報通信利用に対する不安感の所在

●国民の不安が大きいのは「情報セキュリティ」「プライバシー」「違法・有害コンテンツ」の3分野
 情報通信を利用することへの不安の広がりを踏まえ、日本の情報通信利用者が抱えている不安の所在を明らかにし、不安解消のための解決策について検討するため、情報通信の利用に対する不安感について、国民利用者に対する意識調査を実施した3
 調査に当たっては、情報通信利用に対する課題を、[1]プライバシー、[2]情報セキュリティ、[3]違法・有害コンテンツ、[4]情報リテラシー、[5]地理的ディバイド、[6]知的財産権、[7]インターネット上の商取引、[8]ICT利用におけるマナーや社会秩序、[9]サイバー社会に対応した制度・慣行、[10]地球環境や心身の健康の10の分野に整理分類し、それぞれに対する大まかな不安感を尋ねた。また、分野ごとに代表的な課題を3つずつ、計30課題4についても、不安感を尋ねた。
 まず、10分野に対する不安感を図表3-3-2-1に示した。「情報セキュリティ」について、不安(「不安である」「どちらかといえば不安である」の合計)と回答した人の割合が82.6%と最も大きく、次いで、「プライバシー(81.8%)」と「違法・有害コンテンツ(75.5%)」となった。この3分野は、他の分野に比べて国民の間での不安感が特に大きい。加えて、「インターネット上の商取引(60.5%)」に対する不安も大きいことから、情報通信を日々利用する中で脅威にさらされる危険性の高い分野に対する不安が大きいことが分かる。
 また、「ICT利用におけるマナーや社会秩序(67.0%)」「サイバー社会に対応した制度・慣行(56.1%)」といった、情報通信を利用していく上での社会の在り方に対する不安も大きい。
 
図表3-3-2-1 安心・安全10分野における国民の不安感
図表3-3-2-1 安心・安全10分野における国民の不安感
(出典)総務省「ユビキタスネット社会における安心・安全なICT利用に関する調査」(平成21年)
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 図表3-3-2-2は、具体的課題に対する不安感を示したものである。「クレジットカード番号やパスワード等のウェブサイト等を通じた不正取得(87.4%)」に対する不安が最も大きく、約9割が不安と回答している。次いで、「コンピュータ・ウイルス、スパイウェア等への感染(83.8%)」「公的機関や企業等が保有する氏名や住所等の個人情報の流出(83.3%)」「迷惑メールや迷惑電話(82.4%)」「他人によるなりすましやホームページの書きかえ等の不正アクセス(77.0%)」の不安も大きく、約8割が不安と回答した。具体的課題について不安感を尋ねても、「情報セキュリティ」「プライバシー」「違法・有害コンテンツ」の3分野の具体的課題に対する不安が大きいことが分かる。
 
図表3-3-2-2 具体的課題に対する国民の不安感(上位10課題)
図表3-3-2-2 具体的課題に対する国民の不安感(上位10課題)
(出典)総務省「ユビキタスネット社会における安心・安全なICT利用に関する調査」(平成21年)


3 日本国内のインターネット利用者を対象としたウェブ調査を行い、年代別割り付けを行って2,000人の回答を得た。調査の概要については、付注12の(1)を参照
4 30課題については付注12の(2)を参照

 第3節 Trust:安心してネットが使えるための「電縁」

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(3)情報通信利用に対する規制や排除の動き に戻る (2)企業の情報通信利用に対する不安感の所在 に進む