平成21年版 情報通信白書

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第2部 情報通信の現況と政策動向

第5章 情報通信政策の動向

(2)電子自治体の推進

 電子自治体は、地方公共団体におけるICTの活用により行政サービスの高度化及び行政の簡素化・効率化を図ることを目的とするものである。
 総務省では、平成19年3月に「平成22年度までに利便・効率・活力を実現できる電子自治体を実現すること」を目標とした「新電子自治体推進指針」を策定しており、毎年度実施状況のフォローアップを行っている21

ア 国による電子自治体構築支援
 総務省では、「IT新改革戦略」(平成18年1月IT戦略本部決定)を踏まえ、電子自治体システムの効率的な構築、住民の利便性向上や業務改革等に向けて取り組んでいる(図表5-4-4-1)。平成19年6月から「電子自治体の推進に関する懇談会」22を開催して、電子自治体に係る施策の推進に関し、取組状況の把握、課題の抽出・検討及び必要な助言を行っている。また、平成19年11月から同懇談会の下でオンライン利用促進ワーキンググループとセキュリティワーキンググループを開催している。
 
図表5-4-4-1 我が国のICT戦略と電子自治体推進指針の展開
図表5-4-4-1 我が国のICT戦略と電子自治体推進指針の展開

 オンライン利用促進ワーキンググループについては、平成20年3月に、携帯電話を活用した電子申請システムの構築及び地方公共団体における証明書等の電子交付について、21年1月には、インセンティブ付与及び証明書等のペーパーレス化に関して報告書を取りまとめた。
 セキュリティワーキンググループについては、電子自治体を推進する上で重要となる情報セキュリティの確保に関する具体的課題や実行性のある取組方策等について検討しており、平成20年8月に、地方公共団体におけるICT部門の業務継続計画(BCP:Business Continuity Plan)策定に関するガイドライン及び地方公共団体における情報資産のリスク分析・評価に関する手引きを公表し、21年3月に、地方公共団体における業務の外部委託事業者に対する個人情報の管理に関して報告書を取りまとめた。

イ 電子自治体における個人情報保護と情報セキュリティ対策の徹底
 電子自治体の推進においては、個人情報の保護と情報セキュリティ対策が重要な課題となっている。
 個人情報保護条例については、平成17年度末までに、すべての都道府県・市区町村で制定済みであり、情報セキュリティポリシーについては、20年4月時点で、すべての都道府県及び97.1%の市区町村で策定されてい
23。総務省では、すべての地方公共団体が情報セキュリティ監査を実施するよう支援を行うとともに、地方公共団体における情報セキュリティに関する情報の共有等を行う「自治体CEPTOAR」(平成19年3月創設)に対し、必要な助言等の支援を行うこととしている。
 また、総務省では、平成18年2月に情報セキュリティ政策会議が決定した「第1次情報セキュリティ基本計画」を受けて、「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」と「地方公共団体における情報セキュリティ監査に関するガイドライン」の全部改定を、それぞれ平成18年9月、19年7月に行った。さらに、平成21年2月に策定された「第2次情報セキュリティ基本計画」を受けて、小規模な地方公共団体も含め、すべての地方公共団体において、望ましい情報セキュリティ対策が実施されることを目指し、対策の促進を行うこととしている。


21 参考:新電子自治体推進指針:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2007/070320_1.html
22 参考:電子自治体の推進に関する懇談会:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/denshijichi_suisin/index.html
23 参考:個人情報の保護に関する条例の制定状況(平成20年4月1日現在):http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2008/080715_1.html

 第4節 豊かで活力あるユビキタスネット社会の構築

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