平成11年版 通信白書

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第1章 特集 インターネット

(3)衛星・移動体インターネット

その他のインターネット接続サービス事業者の動向

 昨今、従来のISPが提供するサービスとは異なる形態のインターネット接続サービスを提供する事業者が登場してきており、その概要は以下のとおりである。
1)衛星インターネット
 衛星インターネットは、インターネットアクセスの下り部分(インターネット側から利用者側への通信)に衛星回線を利用して大容量のデータを送信する無線型のインターネット接続方式である。
 この衛星インターネットサービスを利用するためには、衛星インターネットサービス事業者と契約するほか、別途ISPと契約して上り部分(利用者側からインターネット側への通信)を確保することが必要である。
 衛星インターネットの特徴としては、数百kbpsから数Mbpsによるデータ伝送を可能とする高速性、衛星のカバー・エリア内に一斉に同じ情報を配信できる広域性及び同報性が挙げられる。
 現在、我が国において衛星インターネットサービスを提供する事業者は数社程度であり、提供されているサービスも法人向けが中心であるため、利用者数は限られているが、最近では衛星のトランスポンダ(電波中継器)の利用効率向上を図るため、個人向けサービスを開始する事業者が現れてきており、今後は利用者数も徐々に増加していくと思われる。
2)移動体通信事業者によるインターネット接続サービス
 これまでの移動体通信事業者の提供するインターネット接続サービスは、移動体通信事業の付加サービスの一環として特定のISPと提携し、利用者とISPをつなぐことによって、インターネット接続サービスを間接的に提供するもののみであった。
 このサービスはあらかじめ事業者が指定した電話番号に対して発信された利用者のデータを、事業者の回線交換網(又はパケット通信網)を通し、特定のISPのアクセスポイントを通過させることによって、インターネット接続サービスを提供してきた。
 しかしながら、データ伝送速度の高速化、移動体通信機器の液晶画面表示の改善等が図られ、付加価値の高いサービスの提供が可能となり、10年後半以降において、自らインターネット接続サービスを直接的に提供する事業者が現れてきている。

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