平成11年版 通信白書

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第2章 情報通信の現況

3 加入者網

新たなアクセス方法が続々登場

 公衆網にアクセスするための加入者網は、従来、固定電話を中心に構成されてきたが、最近では移動体通信等の無線利用や、データ通信の高速化等のニーズが高まり、加入者網の多様化が急速に進んでいる。
 メタル系の加入者網では、既設のケーブルを用いて高速伝送を可能にするDSL(Digital Subscriber Line)技術が登場した。DSLには、上り下りの速度が違う非対称型のADSLや、対称型のSDSL等があり、ADSLでは6Mbps程度の高速伝送が可能となる。
 メタル・光系の加入者網では、既存の低速サービス(電話、INSネット64等)を対象としたNTTのπシステムが挙げられる。これは顧客間近の電柱際に設置した光加入者線終端装置(ONU)の一本の光ファイバを複数の顧客で共用するものであり、全国に先がけ10年3月に神戸市長田区で導入された。このシステムでは光ファイバが軒先まで来ており、広帯域需要に対して即応が可能である。また、ケーブルテレビ網は、施設と加入者宅の間にLANを構成することで、安価な接続費用による、高速伝送、常時接続が可能なインターネットのアクセス網としての利用が進んでいる。
 無線系の加入者網では、WLL(Wireless Local Loop)が地域電気通信市場の競争を促進するとともに、広帯域の情報通信を無線により可能とするシステムとして注目されている。WLLでは、光ファイバやメタルケーブルで構築されているアクセス回線部分を無線で代替するため、ケーブル敷設の必要がなく、ネットワークの構築コストを抑えることができる。また、一つの集落に対し一括して加入者網を構築できるなど過疎地にも適している。

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