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第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋
第1節 ICTが導く成長への道筋

5 開発途上国における貧困からの脱出とICT


 ICTは、先進国における経済成長や課題解決を促進するのみならず、開発途上国が貧困から脱出する第一歩として重要な役割を果たしつつある。国連貿易開発会議(UNCTAD)が2010年(平成22年)に公表した情報経済レポート(Information Economy Report 2010)では、「低所得国における過疎地域の住民に、ICTを通じてつながる現実の機会が今初めてもたらされた。都市部の起業家と同様、農民や漁民も、商業活動を進歩させるための鍵となるツールとして携帯電話を急速に取り入れつつあり、この傾向を背景に一部の貧しい人々は新たな生計を見つけつつある」とし、ICTと企業、貧困の緩和の関係について分析を行っている(図表1-1-5-1)。また、「アラブの春」と呼ばれるアラブ地域の民主化運動において、ソーシャルメディアの普及がその動向を後押ししたとの指摘もあり、インターネットが民主主義の基盤として人々の啓発を促しているとも見て取れる。

図表1-1-5-1 途上国におけるICTの活用事例(UNCTAD 情報経済レポート2010より)
図表1-1-5-1 途上国におけるICTの活用事例(UNCTAD 情報経済レポート2010より)の図
(出典)篠崎彰彦「「グローバルな視点でみたICTの奔流」国際大学GLOCOM研究ワークショップ発表資料」(平成24年)
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