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第2部 情報通信の現況と政策動向
第4節 ICT利活用による国民生活の向上と環境への貢献

(2)ICTリテラシーの向上


 我が国の次世代を担う子どもたちが、早い段階からICTに親しみ、情報活用能力を向上させ、新しい知的価値や文化的価値を創造できる社会を構築することは大変重要であり、総務省では次の取組を実施している。

ア 「青少年がインターネットを安全に安心して活用するためのリテラシー指標」の策定
 総務省は、グローバル規模での青少年のインターネット利用が進展する中、国際的な動向との調整を図りつつ、青少年に求められるインターネット・リテラシーを的確に把握できるよう、有識者の方々からのご意見などを踏まえ、平成24年3月に「青少年がインターネットを安全に安心して活用するためのリテラシー指標」を取りまとめた。
 同指標は、インターネット・リテラシーの中でも、特に、インターネット上の危険・脅威への対応能力やモラルに配慮しつつ、的確な情報を判断するために必要な能力に重点をおいた指標となっている。また、指標の副題を「ILAS(Internet Literacy Assessment indicator for Students)」とし、今後、OECD(経済協力開発機構)など国外においても周知を図っていく予定である。
 平成24年度には、6月から7月にかけてこのリテラシーを測るテストを国内の高校等1年生(15歳相当)に実施し、その結果を集計して青少年のインターネット・リテラシーの実態を調査・分析することにより、同指標を整備していく予定である。

イ e-ネットキャラバンの推進
 パソコンや携帯電話は便利なコミュニケーションツールである反面、ウイルス、迷惑メール、学校裏サイト等トラブルも多発している。また、近年は子どもたちが容易にパソコンや携帯電話等からインターネットに接続できる環境にあることから、児童生徒を保護・教育する立場にある保護者、教職員等に対しても、インターネットの安心・安全利用に関する啓発が必要となっている。
 このため、総務省では、文部科学省及び通信関係団体等と連携し、子どもたちのインターネットの安心・安全利用に向けて、保護者、教職員及び児童生徒を対象とした講座を全国規模で行う「e-ネットキャラバン11」を実施しており、平成23年度においては、47都道府県900地域で開催した。

ウ メディアリテラシーの向上
 メディアリテラシーとは、放送番組やインターネット等各種メディアを主体的に読み解く能力や、メディアの特性を理解する能力、新たに普及するICT機器にアクセスし活用する能力、メディアを通じコミュニケーションを創造する能力等のことである。
 総務省では、放送番組の情報を正しく理解するとともに、トラブルなくインターネットや携帯電話等を利用するなど、メディアの健全な利用の促進を図るため、各メディアの特性に応じた教材等を開発し、普及を図っている。
 インターネットや携帯電話等の分野においては、ICTメディアリテラシーを総合的に育成するプログラムである「伸ばそうICTメディアリテラシー〜つながる!わかる!伝える!これがネットだ〜」の普及を図っている12。また、保護者や教職員などが知っておくべき事項等を解説した「インターネットトラブル事例集13」は、「e-ネットキャラバン」等のインターネットの安心・安全な利用に向けた啓発講座等において活用されている。
 放送分野においては、これまでビデオ・DVDによる教材を開発し、教材の貸出しを中心とした普及・啓発を図るほか、「放送分野におけるメディアリテラシーサイト14」を開設し、メディアリテラシーの向上に取り組んでいる。


11 e-ネットキャラバン:https://www.fmmc.or.jp/e-netcaravan/
12 教育の情報化推進ページ:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/index.html
  伸ばそうICTメディアリテラシー:
13 インターネットトラブル事例集ダウンロードページ:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/jireishu.html
14 放送分野におけるメディアリテラシーサイト:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/hoso/kyouzai.html
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