総務省トップ > 政策 > 白書 > 24年版 > 東日本大震災を踏まえた業務継続計画とICT
第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋
第2節 東日本大震災と事業継続

(3)東日本大震災を踏まえた業務継続計画とICT


 今回の震災後、官民問わず、業務継続計画の重要性に対し改めて注目が集まったといわれる。そこで、地方公共団体に対し、業務継続計画の策定状況について聞いたところ、策定済みと答えた団体は全体では約1割と低く、自治体別にみると、都道府県では約4割に達するものの、町村では3.5%にとどまっている(図表3-2-2-6)。しかし、東日本大震災を踏まえて、策定に向けて検討中と答えた団体が市区で34.6%、町村で33.0%に及ぶなど、自治体の規模にかかわらず業務継続計画への認識が高まっている。

図表3-2-2-6 業務継続計画(BCP)の策定状況
図表3-2-2-6 業務継続計画(BCP)の策定状況のグラフ
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状及び経済効果に関する調査」(平成24年)

 また、地方公共団体の業務継続計画におけるICTについては、総務省においても「地方公共団体におけるICT部門の業務継続計画(BCP)策定に関するガイドライン」を定めるなど取組を進めているところであるが、地方公共団体における認識を聞いたところ、全体の9割の団体が、業務継続計画においてICTは重要であると回答している2図表3-2-2-7)。特に、震災を踏まえ、ICTの重要性に対する認識が高まっていることがわかる(図表3-2-2-8)。

図表3-2-2-7 業務継続計画(BCP)におけるICTの重要性
図表3-2-2-7 業務継続計画(BCP)におけるICTの重要性のグラフ
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状及び経済効果に関する調査」(平成24年)

図表3-2-2-8 東日本大震災を契機とした業務継続計画(BCP)におけるICTの重要性意識の変化
図表3-2-2-8 東日本大震災を契機とした業務継続計画(BCP)におけるICTの重要性意識の変化のグラフ
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状及び経済効果に関する調査」(平成24年)

 業務継続計画に関わるICTの事項について、地方公共団体の具体的な取組内容について、東日本大震災でも課題として指摘された、「データのバックアップ」、「情報システムの冗長性確保」、「通信回線の冗長性確保」、「データの電子化」の4点について聞いたところ、いずれの事項についても高い関心は寄せられた。特に、「データのバックアップ(90.4%が取組又は準備中)」、「情報システムの冗長性確保(77.5%が取組又は準備中)」については取組が進む一方、「通信回線の冗長性確保(55.6%が取組又は準備中)」「データの電子化(32.3%が取組又は準備中)」については、具体的な取組段階には至っていない団体も多い(図表3-2-2-9)。

図表3-2-2-9 業務継続計画に関わるICTの事項についての取組状況
図表3-2-2-9 業務継続計画に関わるICTの事項についての取組状況のグラフ
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状及び経済効果に関する調査」(平成24年)


2 「地方自治情報管理概要」(総務省)によれば、地方公共団体におけるICT-BCPの策定状況は、平成22年度で都道府県34.0%、市区町村で6.5%である。
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