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第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋
第1節 「スマート革命」 ―ICTのパラダイム転換―

(5)我が国の対応と今後の課題


 我が国は、米国、英国、欧州委員会等との二国間会合において議論を行っており、また、多国間会合においても積極的に議論に参画している。
 米国との間では、2012年(平成24年)1月に「日米情報通信技術(ICT)サービス通商原則」を策定し、その原則の一つとして、国境を越える情報流通を妨げるべきではないことを掲げた。同年3月にはインターネットエコノミーに関する日米政策協力対話においてインターネットのオープンな特性と相互運用性の維持の原則を再確認し、さらに同年4月の日米首脳会談で公表されたファクトシートにはサイバー空間に関する問題についての連携深化が盛り込まれた。
 英国との間で、同年4月に公表された日英両国首相による共同声明においてサイバー空間に関する二国間の協議の強化等が盛り込まれたことを受け、同年5月に川端総務大臣とハント文化・オリンピック・メディア・スポーツ大臣との会談において、インターネット政策課題における日英間での連携を確認する共同声明を発表した。この声明では、①インターネットガバナンスについて、マルチステークホルダーアプローチが最善の方法である、②インターネット政策が、国際レベルで首尾一貫性があり、整合的であることを確保する、③現在の情報の自由な流通を享受し続けることができるよう国際的なコンセンサスを実現するために相互に協力する、といったことが確認された。
 さらに、欧州委員会との間においても、同年5月に川端総務大臣と欧州委員会クルース副委員長との間でインターネットに係る政策課題における日EU間での連携等を内容とする共同声明を発表した。この声明では、①インターネット政策が、国際レベルで首尾一貫性があり、整合的であることを確保する、②情報の自由な流通が不当に制約されることのない国際的なコンセンサスを実現するために相互に協力することについて確認されたほか、サイバー空間におけるセキュリティ確保に向けて連携するために日EUインターネット・セキュリティフォーラムの開催に合意したこと等が盛り込まれた。
 サイバー空間の在り方の国際的な議論は、今後、インターネットが果たしている国民生活や経済活動の土台としての役割、社会経済システムにイノベーションをもたらす重要な社会基盤としての役割、民主主義の発展や基本的人権の保障のための支えとしての役割、プライバシー・個人情報の保護、情報セキュリティの確保、知的財産権の保護など、多角的に行われる可能性がある。我が国としても、今後の我が国の目指すべきビジョンに資する国際ルールづくりがなされるよう積極的に議論に参加している。
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