総務省トップ > 政策 > 白書 > 24年版 > ICT産業の成長けん引力と国際展開
第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋
第4節 ICTによる新たな成長のステップに向けて

2 ICT産業の成長けん引力と国際展開


 ICT産業は、ハード、とりわけ携帯電話端末やテレビ事業を取り巻く厳しい状況により停滞しているようにみえるが、全体でみれば依然国内生産額規模でみても自動車にも比肩する基幹産業として日本経済をけん引している。ICT産業をさらに部門別にみても、アプリケーションサービスやネットワークサービスなど、ソフト・サービス部門は堅調に推移しており、プラットフォーム事業者は最高益を記録するなど好調を持続している。ただし、外貨の稼ぎ手としてのICT産業の機能は、ハード産業の輸出競争力の低下と平行して失われ、内需型産業となってきている。
 国内のICT分野の投資は、一定規模を維持しているが、成長余力は少ない。海外の低中所得国では、通信インフラ投資やICTシステム投資、端末普及など、経済成長を背景にICT関連市場の拡大が続いており、欧米のICT企業のみならず、中国・韓国・台湾系のICT企業も積極的に進出を図っている。スマートフォンの分野で、Apple社のみならず、中国・韓国・台湾系企業に海外市場で先行され、国内市場でも海外メーカーとの競争が激化しているのも、海外市場展開の有無によるロットの違いも大きく影響しているものと思われる。
 我が国としては、グローバル市場を視野に入れた経営戦略の強化がICT産業に求められており、ハードとソフト・サービスの連携、ユーザー企業とICT企業の連携など、総合的に強みをいかしつつICT産業の国際展開を進めることも選択肢の一つだろう。
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