第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋
第2節 グローバルに展開するICT市場

(2)ICT投資


ア 世界のICT投資
 世界のICT市場の状況を投資規模からみると、先進国に加えて開発途上国、特にアジア・太平洋市場を中心に成長が見込まれている。世界のICT投資規模をみると、世界全体では2011年(平成23年)は3.43兆ドル(約270兆円)であるが、2016年(平成28年)には4.44兆ドル(約350兆円)に伸長し、2011年(平成23年)から2016年(平成28年)の年平均増加率は5.4%と予測されるなど、投資額の増加が見込まれている(図表1-2-2-4)。

図表1-2-2-4 世界のICT投資規模(予測)
図表1-2-2-4 世界のICT投資規模(予測)のグラフ
ガートナー資料により作成

 地域別に見てみると、我が国は、2011年(平成23年)は0.36兆ドル(約29兆円)で、今後も一定の増加が見込まれているものの、2011年(平成23年)から2016年(平成28年)の年平均増加率は2.5%と世界全体と比べて小さい。一方、アジア・太平洋については、2011年(平成23年)は0.59兆ドル(約47兆円)であり、2011年(平成23年)から2016年(平成28年)の年平均増加率も7.2%と大きな増加が見込まれている。このように、今後、世界的にみるとICT投資の増加は見込まれており、特に、先進国に加えて、アジア・太平洋地域がけん引する役割を担う可能性が高い。また、部門ごとに見てみると、電気通信サービス部門、情報サービス部門の投資規模が大きい。

イ インフラ投資
 情報通信インフラの投資の動向を見ても、低中所得国を中心に情報通信インフラの投資が急成長しており、特にモバイルインフラへの投資拡大が顕著となっている(図表1-2-2-5)。また、世界のインフラプロジェクトに投入された民間資金の推移をみると、電気通信は2010年(平成22年)で712.9億ドル(約5.7兆円)であり、エネルギーと並んで大きいことが分かる(図表1-2-2-6)。

図表1-2-2-5 所得階層国別の情報通信インフラ投資の動向(2010/2005年)
図表1-2-2-5 所得階層国別の情報通信インフラ投資の動向(2010/2005年)のグラフ
(出典)総務省「情報通信産業・サービスの動向・国際比較に関する調査研究」(平成24年)3

図表1-2-2-6 世界のインフラプロジェクトへの民間投資額の推移
図表1-2-2-6 世界のインフラプロジェクトへの民間投資額の推移のグラフ
世界銀行「PPI database」により作成


3 総務省「情報通信産業・サービスの動向・国際比較に関する調査研究」(平成24年)の分析に際して用いたデータの出典(第1章関係)については、付注1も参照。
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