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付注
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付注12 災害時における情報通信の在り方に関する調査の概要


1)調査対象
a. 調査対象地域
 調査対象地域としては、津波被害の甚大だった地域を中心に、岩手県、宮城県、福島県の3 県、および下記の各市町を対象とした。
・ 岩手県:宮古市、大槌町、釜石市、大船渡市、陸前高田市
・ 宮城県:気仙沼市、南三陸町、石巻市、仙台市、名取市
・ 福島県:南相馬市、いわき市

b. 調査対象者
 調査対象者は、各調査対象地域毎に、以下の各分類に該当する方をそれぞれ含むように抽出した。対象者数は、各調査対象地域毎に25 名程度を目処とし、全体では306件のインタビューを実施した。
・ 自治体の主に震災対応関係部署(主に震災対応に係る内容):35件
・ 自治体の主に情報企画部署(主に事業継続に係る内容):16件
・ 学校関係者(幼保育園、小中高校の学校長、教職員等):33件
・ 病院・福祉施設関係者(病院、診療所、福祉施設の医師、経営者、事務職員、介護職員等):39件
・ 避難所の運営・管理担当者(公設及び民間の避難所の運営・管理担当者、自治体の避難所運営部署の担当者等):19件
・ 仮設住宅の企画・管理担当者(仮設住宅の企画・管理担当者、自治体の仮設住宅担当部署の担当者等):12件
・ 農業協同組合・漁業協同組合・商工会/商工会議所等の関係者:35件
・ NPO・ボランティア・社会福祉協議会等の関係者:23件
・ 企業(グローバル企業、全国企業の地元拠点、地元企業の経営者、従業員等):71件
・ 被災者リーダー(自治会や消防団等の地域のリーダー的存在の方々、地域の情報発信を行った方々等):19件
※なお、各分類の数字は、分類毎のインタビュー実施件数。その他4件を加え、全体で306件のインタビューを実施した。1回のインタビューを複数人で対応していただいたケースもあるため、実績値は人数ではなく件数で表示している。

2)調査内容
 調査においては、発災時に内陸地域にいた一部の方を除いて、基本的に全てのインタビュー対象者が被災者であるという認識のもと、震災時の自身と周囲の状況や、情報の入手方法や情報活用の状況、避難所等におけるICT 利用環境の状況等について共通で聞く内容(共通質問)と、それぞれの所属属性の立場や役割の中で、震災への対応にあたってのICT 利用環境の利活用の状況について聞く内容(属性別質問)の、大きく2 つの側面に分けてインタビューを行った。また、インタビュー結果の分析にあたって、それぞれの属性情報等に応じた分析を可能とするため、フェースシートにも記入していただいた。
 なお、属性別質問に関しては、所属属性によっては、震災への対応以外に事業継続という観点からの質問も行なっている。
 以下に、それぞれの質問内容の概要を示す。

a. フェースシート
・ 基本的な属性情報
・ 日常的な情報ツールの活用状況
・ 震災時に利用した情報ツールの活用状況

b. 共通質問
・ 震災にあった時の状況
・ 避難の際の状況や、その時の情報入手や関係者との連絡等のためのICT 利用環境の状況、その有効性や課題
・ 避難所等やその後の時期における情報入手や関係者との連絡等のためのICT 利用環境の状況、その有効性や課題
・ 特に生活物資に関する情報の入手状況や個人情報の取り扱いに関する課題
・ 避難やその後の生活の中で、特に考えたこと

c. 属性別質問(震災対応に関する内容)
・ 情報の収集・共有・発信、関係者との連絡等にあたってのICT 利用環境の状況とその有効性や課題
・ 震災対応において特にインターネットを利用していた場合の利用内容や有効性と課題
・ インターネットの中でも特にソーシャルメディアの利用についての状況、利用内容、有効性や課題
・ インターネットを利用していた場合の情報フォーマットの統一、デマ情報への対応等についての状況、有効性や課題
・ 高齢者等の情報弱者への配慮の有無や内容、有効性や課題
・ 個人情報の取り扱いについての運用内容、有効性や課題
・ 自営の回線やシステムの被災状況、利用状況、復旧状況や有効性と課題
・ 避難所等でのICT 利用環境の受給マッチングの状況やご意見

d 属性別質問(事業継続に関する内容)
・ 震災以前の業務システム・ネットワークの利用状況と震災対応計画の内容
・ 震災による業務システム・ネットワークの被災状況と震災対応計画の効果や課題
・ 震災時の特にバックアップシステムやクラウド等の有効性と課題
・ 将来的な事業継続性確保に向けたバックアップシステムやクラウド等の活用についてのご意見
・ 個人情報取り扱いの課題等についてのご意見

3)調査実施方法
 インタビュー調査では、基本的に、アポイントメント調整の際に各質問票(フェースシート、共通質問、属性別質問)を事前送付し、インタビューの当日はフェースシートはその場で回収し、共通質問と属性に応じた属性別質問について聞き取りをする形とした。
 インタビューにあたっては、回答者お一人お一人より丁寧に話を聞くという観点から、インタビュー対象者1名ごとに実施し、概ね共通質問45 分、属性別質問45 分程度を目途に聞き取りを行った。

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