総務省トップ > 政策 > 白書 > 24年版 > 地震発生当日に利用しようとした通信手段
第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋
第1節 東日本大震災が情報行動に与えた影響

(3)地震発生当日に利用しようとした通信手段


 地震当日に利用した通信手段の疎通度についてみると、携帯電話の音声とメールを利用しようとしていた人が共に高く、それぞれ8割近い人が利用しようとしていたことがわかった(図表3-1-2-3)。次いで固定電話が43.9%で続いているが、携帯電話や固定電話は普段使っているメインの通信メディアであり、災害時に最も知りたい安否の確認に適した、即時的なメディアである。一方で、パソコンメールが25.7%、パソコンウェブが34.6%と、比較的利用しようとした人が少なかった。

図表3-1-2-3 地震当日の通信手段の疎通度
図表3-1-2-3 地震当日の通信手段の疎通度のグラフ
(出典)東京大学大学院情報学環『情報学研究 調査研究編 2012 No. 28』「東日本大震災における首都圏住民の震災時の情報行動」

 次に、利用しようとした人だけを取り出し、「全くつながらなかった」という人に注目して地震当日の通信手段の疎通度をみると、最もつながりにくかったのが、携帯電話の音声で65.4%、次いで固定電話が55.1%となっている(図表3-1-2-4)。利用者が殺到して輻そうを起こしたことが考えられる。一方、携帯メール、携帯ウェブ、公衆電話などは「全くつながらなかった」という人が3割強にとどまり、比較的つながりやすかったことがわかる。また、利用しようとした人が少なかったパソコンメールやパソコンウェブについては、「全くつながらなかった」との回答がそれぞれ17.9%、11.3%にとどまっており、極めてつながりやすかったということができる。関東ではほとんど停電しなかったためパソコン及びインターネット機器が機能したこと、そしてインターネットにおいて輻そうがあまり発生しなかったことが要因として考えられる。東日本大震災においては、TwitterやFacebookなどのSNSが注目されているが、この回答からは、関東ではインターネットは疎通しやすく、有効であったといえる。しかしながら、関東と異なり、被災地域では長時間の停電が発生しており、パソコンによるインターネットがつながりにくかったことにも注意が必要である。

図表3-1-2-4 利用しようとした人の疎通度
図表3-1-2-4 利用しようとした人の疎通度のグラフ
(出典)東京大学大学院情報学環『情報学研究 調査研究編 2012 No. 28』「東日本大震災における首都圏住民の震災時の情報行動」
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