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第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋
第1節 東日本大震災が情報行動に与えた影響

(3)震災がメディアの利用状況に与えた影響


 今回の調査については、震災を契機とした情報行動、情報源への意識の変化について調査を行った。
 その結果、全ての世代で情報源としてはテレビの利用率が高く、この傾向は震災前後で変わっていない。その一方で、「原発・放射能」「食の安全」などテーマによっては震災後、情報源として信頼度がやや低めになっているほか、震災直後から現在にかけて信頼性が下がったと回答する人が一定割合いる。
 それにも関わらず、反比例的に信頼性が上がったメディアはない。震災後、その新しい役割が注目されたソーシャルメディアについては、利用割合自体が高いとはいえないが、信頼度についても既存メディアに比べて高いとはいえない。とはいえ、利用が少ない中であったにせよ、今回の調査でも、発信主体が「大学・研究機関や研究者のTwitter」については、信頼度がやや高めに出ていることは注目に値する。
 このことから、今回の震災後も、テレビを中心とした既存メディアを利用し、「原発・放射能」「食の安全」といったテーマについて、信頼性が低下しても、特段、ネットという新しいメディアで情報収集し、信頼度が高い情報を得ようという行動にはあまりつながっていないのではないかと推測される。つまり、信頼度の低下に伴う「不満」があっても、テレビを中心とした既存のマスメディアを通じて情報を得ており、新たな情報源はあまり使われていない、という状態ではないかと考えられる。その一因としては、コンテンツが既存メディアに近いニュースサイトを除き、ブログやソーシャルメディアについては、信頼性の高い情報に行き着くこと自体が既存メディアに比べて難しく、情報源として活用しにくいという点も影響しているのではないかと思われる。
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