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第2部 情報通信の現況と政策動向
第3節 国民の暮らしを守る安心・安全

(2)電子データの安全な利活用の推進


ア 暗号技術の安全性評価と高度化の推進
 総務省では、電子政府等の安全性及び信頼性の確保を目的として、経済産業省と共同で暗号評価プロジェクトCRYPTREC(Cryptography Research and Evaluation Committee)5を実施し、「電子政府推奨暗号リスト」(平成15年2月策定)6の公表、暗号の安全性の評価・監視等を実施している。CRYPTRECは、総務省及び経済産業省が共同で運営する「暗号技術検討会」と、その下部委員会であり、独立行政法人情報通信研究機構及び独立行政法人情報処理推進機構が共同で運営する「暗号方式委員会」、「暗号実装委員会」、「暗号運営委員会」から構成されている。
 現在、近年の技術の進展により「電子政府推奨暗号リスト」掲載暗号の危殆化が懸念されていることから、平成24年度末までに当該リストを改訂すべく、CRYPTRECにおいて、安全性、実装性、運用性等の様々な観点から掲載候補の暗号の評価を実施している。

イ 電子署名・認証業務の普及促進
 電子商取引等のネットワークを介した社会経済活動を安全に行うため、「電子署名及び認証業務に関する法律」(平成12年法律第102号)では、安全性の高い電子署名について行われる認証業務を 「特定認証業務」 と定義し、電子署名の真正性を担保している。平成24年4月末現在、16件の特定認証業務が認定を受けており、電子署名・認証業務の普及促進を図っている。

ウ タイムビジネスの利用促進
 電子商取引等の分野において、流通・保存される電子データの作成時期等に関する信頼性を高めるために、電子データに付されるタイムスタンプ及びそのサービスであるタイムビジネス(時刻配信業務と時刻認証業務の総称)の重要性が高まっている。
 一般財団法人日本データ通信協会では、一定の基準を満たすタイムビジネスに対し認定を行うことで、国民に対し信頼性の目安を提供する「タイムビジネス信頼・安心認定制度」を運営し、平成24年3月末現在、3件の時刻配信業務及び6件の時刻認証業務を認定している。また、民間事業者やベンダー等で構成される「タイムビジネス協議会7」は、タイムビジネスの普及促進を目的として、セミナーやシンポジウム活動を行っている8
 また、平成22年4月に時刻のトレーサビリティの保証に関するITU-R(International Telecommunication Union Radiocommunication Sector)勧告の改訂案(日本提案)がSG7(Study Group 7)において承認されたことを受け、時刻配信・監査の在り方の明確化やタイムスタンプに使用される暗号アルゴリズムの脆弱化に対応するため、平成23年11月に当該認定制度の技術基準を改定し、平成24年10月より適用予定である。


5 CRYPTREC:http://www.cryptrec.go.jp/index.html
6 電子政府推奨暗号リスト:http://www.cryptrec.go.jp/images/cryptrec_01.pdf
7 タイムビジネス信頼・安心認定制度:http://www.dekyo.or.jp/tb/summary/data/unyoukiyaku.pdf
8 タイムビジネス協議会:http://www.dekyo.or.jp/tbf/guide/greeting.html
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