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第2部 情報通信の現況と政策動向
第2節 情報通信政策の展開

3 電波政策の展開


(1)電波政策概況
ア 電波の有効利用の推進
(ア)ホワイトスペースの有効利用
 有限希少な資源である電波を有効利用し、国民の利便性向上につなげる観点から、ホワイトスペース(放送用などの目的に割り当てられているが、地理的条件や時間的条件によって他の目的にも利用可能な周波数帯をいう。)の早期活用が期待されている。平成24年1月に「ホワイトスペース推進会議11」において、「ホワイトスペース利用システムの共用方針〜地上テレビジョン放送用周波数帯における共用方針〜」を取りまとめ、公表した。同共用方針を踏まえ、総務省では、平成24年3月にエリア放送の制度整備を行うとともに、通信型システムの技術基準の策定等を行いサービスの実現を図り、引き続き、ホワイトスペースの利活用を推進していく(図表5-2-3-1)。

図表5-2-3-1 ホワイトスペースの活用
図表5-2-3-1 ホワイトスペースの活用の図

(イ)電波有効利用の促進に関する検討
 総務省では、ワイヤレスブロードバンドの進展等に伴い周波数が急速にひっ迫する中、国民生活の利便性向上や安心・安全確保のために必要となる電波の有効利用のための諸課題や具体的方策について検討することを目的として、平成24年4月から「電波有効利用の促進に関する検討会12」を開催している(図表5-2-3-2)。同検討会においては、新たなワイヤレスシステムにふさわしい規律の在り方、電波利用料の活用等によるワイヤレスシステムの高度化・普及の促進方策、周波数再編の強化のための方策、その他の電波有効利用の促進に関する課題等について、幅広い観点から検討を進めており、同年12月を目途に取りまとめを行う予定である。

図表5-2-3-2 電波有効利用の促進に関する検討会の開催の背景
図表5-2-3-2 電波有効利用の促進に関する検討会の開催の背景の図

イ 周波数オークションの導入
 総務省では、我が国における周波数オークション制度(電波の免許人の選定に際し、入札を実施し、最高価格を入札した者を有資格者とする制度をいう。)の導入について検討を行うため、平成23年3月から「周波数オークションに関する懇談会13」を開催し、同年12月に報告書を取りまとめ、公表した。これを受け、周波数オークション制度の導入を可能とする「電波法の一部を改正する法律案」(図表5-2-3-3)を第180回国会(常会)に提出した。
 具体的には、特定の周波数を用いる電気通信業務用基地局(携帯電話基地局)について、総務大臣が定める入札開設指針に適合する入札開設計画を申請した者の中から、入札等(入札又は競り)により、最も入札価額の高い者の入札開設計画を認定する制度14を創設するものである。

図表5-2-3-3 電波法の一部を改正する法律案の概要
図表5-2-3-3 電波法の一部を改正する法律案の概要の図

ウ 地上デジタル放送移行後の空き周波数の有効利用
 地上テレビジョン放送をアナログからデジタルに移行することに伴い、地上アナログ放送の終了及びデジタル放送のチャンネルの再配置により空いた周波数帯に携帯電話などを割当てするなど、周波数の有効利用を図っている。
 具体的には、地上アナログ放送で使用していた1チャンネルから3チャンネルまでをV-lowマルチメディア放送に、4チャンネルから12チャンネルまでをV-highマルチメディア放送及び自営通信(安全・安心の確保)に、53チャンネルから62チャンネルまでを携帯電話、ITS(高度道路交通システム:Intelligent Transport Systems)等に割り当てている(図表5-2-3-4)。

図表5-2-3-4 地上デジタル放送移行後の空き周波数の有効利用
図表5-2-3-4 地上デジタル放送移行後の空き周波数の有効利用の図


11 ホワイトスペース推進会議:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/whitespace/index.html
12 電波有効利用の促進に関する検討会:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/denpa_riyou/index.html
13 周波数オークションに関する懇談会:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/syuha/index.html
14 開設計画の認定制度は、開設計画の認定を受けた事業者のみに、特定基地局の免許の申請を認める制度。
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