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第2部 情報通信の現況と政策動向
第2節 情報通信政策の展開

(2)電波利用の高度化・多様化に向けた取組


ア 700/900MHz帯における携帯電話用周波数の割当
 総務省は、平成22年5月から、700/900MHz帯における携帯電話用周波数確保の在り方等について、「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」の下で開催した「ワイヤレスブロードバンド実現のための周波数検討ワーキンググループ15」において検討を行い、同年11月に検討結果を取りまとめ、公表した。これを踏まえ、同年12月にブロードバンド普及促進のための「基本方針」を策定し、同方針に従って、平成23年6月に電波法を改正した。また、同年7月に平成22年度電波の利用状況調査の評価結果を公表し、同年9月に周波数再編アクションプラン(平成23年9月改定版)の公表を行っている。
 これらを踏まえ、900MHz帯については、平成23年12月に開設指針(割当方針)を策定し、平成24年1月までに4件の申請を受け付け、電波法及び開設指針に定める審査基準に基づき審査を行った結果、同年3月にソフトバンクモバイルの開設計画を認定した。
 700MHz帯については、平成24年4月に開設指針を策定し、同年5月までに3件の申請を受け付け、審査基準に基づき審査を行った結果、同年6月にイー・アクセス、NTTドコモ、KDDI/沖縄セルラー電話の開設計画を認定した。

イ 広帯域移動無線アクセスシステムの高度化
 広帯域移動無線アクセスシステムは、無線による高速インターネットアクセスに対する利用者ニーズの高まりなどを受け、平成19年に制度化された後、全国2事業者及び地域事業者によりサービスが提供されている。サービス開始以降も、伝送速度の高速化など利用者の利便性向上を目的として技術の高度化が進められており、その利用者数は100万を超え、なお増加している。
 一方、平成23年12月から、下り100Mbps以上の伝送速度が実現可能な3.9世代移動通信システム(LTE:Long Term Evolution)のサービスが開始されるなど、移動通信サービスの高速化は進展を続けており、広帯域移動無線アクセスシステムについても光回線並みの高速大容量通信を可能とするための国際標準化作業が進められている。
 こうした状況を踏まえ、平成23年9月から情報通信審議会情報通信技術分科会において、伝送速度の高速化や効率的なエリア展開等を図ることを目的とし、隣接する周波数帯域も含めて広帯域移動無線アクセスシステムの高度化に必要な技術的条件等の審議が行われ、平成24年4月に情報通信審議会から一部答申16を受けた。これを受け、今後、技術基準の策定等を進めていく予定である。

ウ インマルサットGSPS型の導入
 東日本大震災の発生等を踏まえ、大規模災害時における衛星携帯電話の有用性が再認識され、災害に対する備え等のために衛星携帯電話のニーズが高まっている。総務省では、平成24年3月に、我が国でインマルサット衛星を用いた小型ハンディタイプを含む衛星携帯電話であるGSPS(Global Satellite Phone Services)型のサービス提供が可能となるよう関係規定の整備等を行った(図表5-2-3-5)。

図表5-2-3-5 インマルサットGSPS型の概要
図表5-2-3-5 インマルサットGSPS型の概要の図


15 グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース 電気通信市場の環境変化への対応検討部会 ワイヤレスブロードバンド実現のための周波数検討ワーキンググループ:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/global_ict/wireless_broadband.html
16 情報通信審議会からの一部答申:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban14_02000091.html
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