総務省トップ > 政策 > 白書 > 24年版 > スマートフォン等の普及とモバイル産業の成長
第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋
第4節 ICTによる新たな成長のステップに向けて

4 スマートフォン等の普及とモバイル産業の成長


 我が国の移動体通信事業を中心とするモバイル産業やモバイルインターネットの存在は、これまではICT分野で我が国が最も強みとしていた。モバイル産業の構造はスマートフォン等の登場により変貌しつつあるが、「スマートフォン・エコノミー」は、モバイル産業の競争の活性化だけでなく、インターネットを通じたサービス利用への刺激や高齢者のICT利用促進などを通じて、例えばネットスーパーなど幅広い部門に波及すると考えられる。急速に普及するスマートフォン等をモバイル産業のみならず我が国全体の成長へのバネとして積極的に活用していくことが望まれる。
 他方、スマートフォン等の普及により、とりわけモバイルインターネットの世界では「エコシステム間競争」が生じつつあり、移動体通信事業者を含むICT産業の各主体が、レイヤー間連携、異業種連携の取組を急速に進めて、幅広い業種を巻き込み総合的なサービスの付加価値向上に努めている。その戦略の成否は「エコシステム」の中核となるプラットフォーム戦略がカギとなり、我が国発のプラットフォームの海外展開も注目されるところである。
 また、世界の最先端を走りながら国内展開にとどまったいわゆる「ガラケー」に示される課題も踏まえつつ、スマートフォンやタブレット端末から今後の成長が期待されるスマートテレビへの展開をにらみながら、HTML5に代表される端末や様々な上位レイヤーのサービス展開の基盤となるオープンプラットフォームの国際標準化を積極的に推進するなど、ユーザーが多様なサービス・機器を享受できる環境の整備に向けて、官民一体となった取組の重要性が増していると考えられる。
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