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第2部 情報通信の現況と政策動向
第3節 国民の暮らしを守る安心・安全

(2)スマートフォン時代の安全・安心な利用環境整備


 総務省では、「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」で取りまとめた「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備に関する提言〜スマートフォン時代の青少年保護を目指して〜」を受け、スマートフォンの青少年への普及を踏まえ、リテラシーの向上とフィルタリングの改善に官民連携で取り組むとともに、実効的な青少年保護を組み込んだ形で、機器の設計、サービスの設計、事業者内部及び事業者間の体制の整備等を行うことを示す概念として、「青少年保護・バイ・デザイン」を提唱している。
 また、平成24年1月からは同研究会に開催した「スマートフォンを経由した利用者情報の取扱いに関するWG」において、スマートフォンにおける利用者情報が安全・安心な形で活用され、利便性の高いサービス提供につながるよう、諸外国の動向を含む現状と課題を把握し、利用者情報の取扱いに関する必要な対応等の検討を行っている。同年4月には、中間取りまとめ2を公表し、①スマートフォンを巡るサービス構造、②利用者情報の取扱いに関する現状、③今後の論点について整理を行った。また、併せて、スマートフォンの利用に際し、利用者自身で少なくとも注意すべき事項について整理された「スマートフォン プライバシー ガイド」を作成した(第2章第2節2(2)囲み記事参照)。


スマートフォン プライバシー ガイド

 スマートフォンが急速に普及する中、スマートフォン上の利用者情報が様々なサービス提供等に利用されています。利用者情報の取扱いは、関係する事業者において適正に行われるべきものですが、スマートフォンの利用には自己責任が求められる側面もあります。
  「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会・スマートフォンを経由した利用者情報の取り扱いに関するWG」においては、事業者における利用者情報の適正な取扱い方策について検討してまいりますが、現時点でもスマートフォンを利用者が一定程度安心して利用できるよう、利用者自身で少なくとも注意すべき事項について、「スマートフォン プライバシー ガイド」として、中間取りまとめに際して整理しました。

1 スマートフォンのサービス構造を知りましょう
● スマートフォンは携帯電話事業者のみによるサービスではありません。アプリケーション(アプリ)提供者やアプリ提供サイトの運用者など多くの事業者が、それぞれ役割を持ちサービスを提供しています。
● スマートフォンでは、インターネットを経由して多様なアプリを自ら選択してダウンロードの上利用することができます。その一方、利用者の自己責任が求められる側面もあります。
● 無料のアプリ等の中には、広告主からの広告収入等によって収益を得ることによりアプリの提供を実現しているものもあります。このような場合、アプリに組み込まれた「情報収集モジュール」と呼ばれるプログラムなどを通じ、利用者情報が情報収集事業者や広告配信事業者等へ送信される場合もあります。

スマートフォンのサービス構造の図

2 アプリの信頼性に関する情報を自ら入手し理解するように努めましょう
● スマートフォンには、電話番号、メールアドレスなど連絡先の情報、通信履歴、ウェブページの閲覧履歴、アプリの利用履歴、位置情報、写真や動画など様々な利用者情報が蓄積されます。アプリをインストールすると、これらの情報は、アプリを通じたサービス提供に活用されるほか、広告配信事業者等へ送信され、利用者の趣味・趣向に応じた広告の表示等に利用される場合もあります。
● このように利用者情報が収集・送信されて利用されることについてプライバシー上の不安がある場合、利用者も受け身ではなく、アプリの機能や評判、提供者など、アプリの信頼性に関する情報を自ら入手し、理解に努めるようにしましょう。
● その場合、評価サイトの評価や利用者のコメント等を参考にすることもできますが、それでも不安な場合には利用を避けることも大切です。
● 携帯電話事業者及び端末ベンダーなどが安全性を確認しているアプリ提供サイトなども必要に応じて活用しましょう。
スマートフォンにおける主な利用者情報の図

3 利用者情報の許諾画面等を確認しましょう
● アプリの信頼性を確認するためには、利用者情報がどのような目的で収集されているか、必要以上の利用者情報が収集されていないかなどもヒントになります。
● アプリをダウンロードする時や利用(起動)する時などに、収集される利用者情報に関する利用許諾を求める画面が表示される場合があります。また、アプリの利用規約やプライバシーポリシーが定められ公表されている場合もあります。
● 利用許諾画面や利用規約等において、収集される利用者情報の範囲などをよく確認し、内容を理解した上で、同意・利用するよう努めましょう。
● なお、利用許諾画面等が表示されない場合には、上記2の様々な方法によりアプリの信頼性の確認に努めましょう。
利用者情報の利用許諾画面の例の写真



2 「スマートフォンを経由した利用者情報の取扱いに関するWG中間取りまとめ」:http://www.soumu.go.jp/main_content/000154856.pdf
テキスト形式のファイルはこちら

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