総務省トップ > 政策 > 白書 > 24年版 > ICT利用部門の成長に向けた課題
第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋
第4節 ICTによる新たな成長のステップに向けて

3 ICT利用部門の成長に向けた課題


 情報化進展度指数分析からわかるように、我が国のICT投資の状況は、部門間の格差が大きい。しかし、現在格差があるということは、今後のICT投資次第でサービス革新・生産性向上の余地がまだまだ残されていることを示している。「スマート革命」として言及したように、近年、ICTシステム自体がクラウド・ビッグデータ活用やセンサーネットワークなどの技術革新によりその成長創造力、課題解決力を大きく向上させる中で、各部門がICT投資を加速させることにより、飛躍的なサービス革新や生産性向上につながる可能性も秘めている。国別比較でみても、情報化進展度指数は比較対象国の中では最下位となっているが、これも同様に、我が国にはICT投資加速により成長余力があることを示すものである。
 マクロ・セミマクロ分析や企業アンケートに基づくミクロ分析から、ICT投資の成長けん引力は実証されている。成長への「解」は明らかであり、行動する段階にある。
 公的部門、とりわけ従来から重点的な取組が進められている「行政分野」・「医療分野」・「教育分野」についても同様である。これらの分野についても、ICTによる課題解決力は実証されており、海外でも重点分野として取組が進められている。しかし、我が国の医療分野、教育分野のICT化の進展度は各分析をみても高くない。さらに、このような公的分野のICT化について、国民利用者の認知度・評価も同様であり、税申告・納税という比較的利用されている分野ですら必ずしもその必要性に対する認識は十分でない。公的分野でのICT活用は、社会保障制度改革とマイナンバーの関係にも示されるように、住民向けサービスの利便性向上のみならず、各サービスの効率的な提供や社会的公平性の実現など、総合的な効果を目的として推進されている。したがって、国民各層に公的分野のICT化推進の意義全体について認識の定着が望まれるところである。
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