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第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋
第4節 ICTイノベーションによる「課題解決力」の実証

(4)フュ−チャースクール推進事業における定量的評価


ア 事業の概要
 総務省では、教育分野でのICT利活用を推進し、情報通信技術面を中心とした課題を抽出・分析することを目的として、平成22年度から「フューチャースクール推進事業」に取り組んでいる。平成23年度においては、文部科学省の「学びのイノベーション事業」と連携し、平成22年度からの継続校(小学校10校)に加え、新たな実証校(中学校8校及び特別支援学校2校)を追加し、学校現場における情報通信技術面を中心とした課題の抽出・分析、技術的条件やその効果等について実証研究を行った(第5章第4節参照)。実証校では、ICT環境を活用した様々な取組が行われており、2年目を迎えた小学校では習熟化も見られるようになっている。ここでは、今回の実証実験での効果について、教員及び生徒に対して行ったアンケート結果を紹介する。

イ 教員の評価
 本事業に協力した10校の実証校(小学校)における教員のICT活用指導力の変化を教員アンケートにより分析評価した。その結果、文部科学省が定めたICT活用指導力の基準のチェックリスト(大項目)に対する教員の自己評価は、事前(本事業によるICT環境の導入時、平成22年10月頃)、平成23年度初め(平成23年4月から5月頃)、平成23年度末(平成24年2月頃)の3つの時期を比較すると、5つすべての大項目でICT活用指導力が確実に高くなっている(図表1-4-7-5)。特に、実証研究開始後半年の時点ではあまりICT活用指導力が高まっていなかった項目でも、1年後には着実に高くなっている。

図表1-4-7-5 指導できる教員の割合の変化
図表1-4-7-5 指導できる教員の割合の変化のグラフ
(出典)総務省「教育分野におけるICT利活用推進のための情報通信技術面に関するガイドライン(手引書)2012」(平成24年)

ウ 児童の評価
 本実証実験の児童の評価について、実証校(小学校)の児童を対象として、平成22年度末ならびに平成23年度末に、同じ質問によるアンケート調査を実施した上で、平成22年度末と平成23年度末の結果を比較して分析を行った。その結果、ICTを利活用した学習に関する各項目について、いずれも7割を超える児童が肯定的に評価をしており、高い評価となっている(図表1-4-7-6)。

図表1-4-7-6 実証校(小学校)の児童による評価の変化(4年生から6年生)
図表1-4-7-6 実証校(小学校)の児童による評価の変化(4年生から6年生)のグラフ
(出典)総務省「教育分野におけるICT利活用推進のための情報通信技術面に関するガイドライン(手引書)2012」(平成24年)
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