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第2部 情報通信の現況と政策動向
第6節 研究開発の推進

(8)ICT基盤技術の研究開発


 総務省及びNICTでは、通信ネットワークの大容量化や安全性向上を目指し、新しい原理や機能を応用したICT基盤技術について、次のとおり研究開発を実施している。

ア 超高周波ICT技術に関する研究開発
 総務省及びNICTでは、ミリ波、テラヘルツ波等の未開拓の超高周波帯を用いて、新しい超高速無線通信方式の基盤技術や社会インフラの劣化診断等のためのセンシングシステムの研究開発を実施している。平成23年度においては、超高速無線通信技術について、光通信波長帯の半導体レーザと光変調器を利用したテラヘルツ光源を開発し、200GHz以上の周波数可変帯域を有するテラヘルツパルス生成の実験に成功した。また、センシング技術について、建造物の非破壊検査モデル実証実験を実施した。

イ 量子ICT技術に関する研究開発
 NICTでは、計算機では解読不可能な量子暗号技術や、微弱な光信号から情報を取り出す量子信号処理技術の研究開発を実施している。平成23年度については、量子暗号技術について、波長多重量子鍵配送システムを開発し、テストベッド上でのフィールド実証を行った。また、量子信号処理技術について、2値信号での光通信理論のビット誤り率限界を打破する実験に成功した。

ウ ナノICT技術に関する研究開発
 NICTでは、ナノメートルサイズの微細構造技術と新規材料により、光子検出器や光変調・スイッチングデバイス等の性能を向上させる研究開発を実施している。平成23年度においては、光子検出技術について、超伝導単一光子検出器(SSPD)にキャビティ構造を導入することで、検出効率を2倍以上改善することに成功した。また、光変調技術について、構造作成に有効な有機電気光学ポリマーの合成技術を確立した。
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