総務省トップ > 政策 > 白書 > 24年版 > ICT国際指標分析にみる我が国の直面する課題と今後の可能性
第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋
第3節 ICT国際展開がけん引する成長のポテンシャル

(6)ICT国際指標分析にみる我が国の直面する課題と今後の可能性


 OECD諸国において、ICT投資により経済成長をけん引している国が多く、今後もその重要性は高まると推察され、ICT投資は依然として経済成長のけん引役を担っている。
 しかし、今回、各種国際指標を経年で分析したところ、従前我が国が強みを有しているとされていた、ICTインフラや技術レベルの優位性の面でも、諸外国に急速に追い上げられていることが見て取れる。しかし、FTTH、モバイルインターネット(3G含む)やIPv6等の先進分野については、依然として優位性を持っていることが確認できた。ただし、普及率については、海外におけるプリペイドの普及等の市場構造の違いがあるものの、他国に追い抜かれていることに留意する必要がある。
 また、普及・利活用について、インターネット普及については、インターネットを十分に課題解決に生かすことができずに後退傾向が見られる。さらに、以前より課題と指摘されていた、ICT利活用面での順位には進展がなく、ビジネス分野で有していた先進性も他国での取組が進んだ結果後退しつつあり、順位停滞に結びついていると思われる。
 しかし、我が国は、世界においても成長が期待されるモバイルインターネット分野では強みを有しているほか、依然として大きな国内市場を有し、高い技術力、世界でも最も洗練された消費者を有するなど、ICT及びその関連分野において成長の潜在性を有している領域が多数存在している。我が国のICT分野の厳しい状況は、利活用の遅れなど、これらの強みを十分には生かせていないことによると考えられ、今後の取組次第で反転する余地はある。
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