第1部 特集 新時代に求められる強靱・健全なデータ流通社会の実現に向けて
第1節 加速するデータ流通とデータ利活用

(4) 米国

世界的な巨大IT企業を多く抱える米国では、政府は、民間部門のデータ活用促進に関して強い介入を行わない一方で、公的部門では連邦・州政府レベル双方が積極的な取組を行っている。

連邦レベルでは、2019年2月、連邦政府のデータ使用に関する10年間のビジョンを示した「連邦データ戦略(FDS:Federal Data Strategy)」が策定・公表された。同戦略は、すべての連邦政府機関がデータのセキュリティ、プライバシー、機密性を保護しつつ統合的に活用し、国民に対してサービスを提供し、リソース管理を行うための10年間のビジョンを掲げたものであり、ミッション、10の原則、40のベストプラクティス、20の年次行動計画(Action Plan)から構成される。このうち、原則とベストプラクティスは連邦政府から各行政機関へのデータ管理と使用に関する指針となる。さらに、ベストプラクティスは「データを大切にし、パブリックユースを促進する文化の構築」、「データの管理、保護」、「データの効率的・適切な利用の推進」の3つのカテゴリーに分かれている。また、同戦略を強いリーダーシップの下で推進していくため、各機関に「Chief Data Officer(CDO)」が設置されるとともに、機関間でのデータ共有に焦点をあて「Federal Chief Data Officers Council」も設置された。

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