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第2部 情報通信分野の現状と課題
第2節 電気通信事業政策の動向

(3) 電気通信事故の分析・検証

電気通信事故の防止に当たっては、事前の対策に加え、事故発生時及び事故発生後の適切な措置が必要である。総務省は、事故報告の検証を行うことにより、再発防止に向けた各種の取組に有効に活用するため、2015年(平成27年)から「電気通信事故検証会議」を開催し、主に電気通信事業法に定める「重大な事故」及び電気通信事業報告規則に定める「四半期報告事故」に係る報告の分析・検証を実施している。同会議では、2021年度(令和3年度)に発生した電気通信事故の検証結果などを取りまとめ、2022年(令和4年)11月に「令和3年度電気通信事故に関する検証報告」を公表した。

また、電気通信サービスが、国民生活や社会経済活動に欠かせない基盤として重要性を増し、通信障害が社会全体に与える影響が増大している中、電気通信事業者による通信障害が多発している。こうした通信障害発生時において、利用者への周知広報がないもの、周知広報を行っても利用者への初報に多くの時間を要するものなど、電気通信事業者による周知広報の在り方に課題が多く見られた。利用者の利益を適切に保護していくためには、電気通信分野における周知広報・連絡体制の在り方について、改めて検討していくことが急務であることから、2022年(令和4年)10月から電気通信事故検証会議周知広報・連絡体制ワーキンググループを開催し、2023年(令和5年)1月に報告書8を取りまとめた。本取りまとめを踏まえ、2023年(令和5年)3月に、電気通信サービスにおける事故及び障害発生時の周知・広報等の在り方に関する考え方を、「電気通信サービスにおける障害発生時の周知・広報に関するガイドライン」として定めた。

さらに、通信障害が多発する背景には、リスク評価やリスクの洗い出しの不足、ヒューマンエラー防止や訓練面での課題、保守運用態勢に対するガバナンスの不足等、共通する課題が多いと考えられる。このため、個別の事故の背景にある組織・態勢面等の構造的問題及び構造的問題の検証を踏まえた技術基準や管理規程等の規律の見直し、安全対策に係る保守運用態勢に対するガバナンス強化の在り方等について、2022年(令和4年)12月から電気通信事故検証会議において検討を行い、2023年(令和5年)3月に、「電気通信事故に係る構造的な問題の検証に関する報告書」を取りまとめた。今後、総務省において、必要な制度改正の検討を進めていく。



8 電気通信事故検証会議周知広報・連絡体制ワーキンググループ取りまとめ
https://www.soumu.go.jp/main_content/000858975.pdfPDF

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