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第2部 情報通信分野の現状と課題
第7節 ICT技術政策の動向

2 Beyond 5G(6G)

(1) Beyond 5G(6G)を取り巻く国内外の動向

現状、5G基地局の国際的な市場シェアにおいて、海外の主要企業が高い割合を占めており、日本企業の国際競争力は比較的低い状況にある。

一方で、基地局やスマートフォンにも組み込まれている電子部品の市場では、日本企業が世界シェアの約3割を占めているなど、潜在的な競争力は有している状況にある(図表5-7-2-1)。

図表5-7-2-1 通信インフラ市場における国際競争力

諸外国では、Beyond 5G(6G)における技術優位性を確保するため、大規模な政府研究開発投資や研究開発計画の具体化について公表しているなど、世界的な開発競争が激化している状況にある。

例えば、米国では、2022年(令和4年)8月に成立した「半導体・科学法2022」において、Beyond 5G(6G)のほか、AI・量子コンピューター等を含む先端技術開発に、今後5年間で200億ドル(約3兆円)の予算を充てることとしており、欧州では、欧州連合(EU)が、Beyond 5G(6G)関連の研究開発プロジェクトに対し、2021年(令和3年)から2027年(令和9年)までの7年間に9億ユーロ(約1,200億円)の予算を投じる予定であるなど、各国が様々な取組を進展しており、今後も積極的にBeyond 5G(6G)の研究開発などを推進していくと思われる(図表5-7-2-2)。

図表5-7-2-2 諸外国におけるBeyond 5G(6G)の政府研究開発の状況

また、我が国の通信トラヒックはDXの進展等もあり増加傾向にあるところ、これに伴い、このまま技術革新がなければ、情報通信ネットワークの消費電力の大幅な増大が懸念されている(図表5-7-2-3)。

そうした中で、我が国では、国際公約として「2050年のカーボンニュートラル実現」を目指すことを宣言しており、政府全体の方針においても、グリーン・デジタル社会の実現や2040年の情報通信産業のカーボンニュートラル達成などが位置付けられているなど、情報通信分野における低消費電力化に向けた取組の必要性が高まっている。そのため、次世代の情報通信インフラに向けた技術開発やネットワーク構築に当たっては、世界的な課題であるグリーン化への抜本的な対応が不可避な状況になっている。

図表5-7-2-3 通信トラヒックとICT分野のエネルギー消費の動向
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