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第2部 情報通信分野の現状と課題
第3節 電波政策の動向

(2) 電波の有効利用促進のための方策

ア 電波法の一部改正

懇談会の報告書の提言を踏まえ、電波の公平かつ能率的な利用を促進するため、電波監理審議会の機能強化、携帯電話などの周波数の再割当制度の創設、電波利用料制度の見直しなどを内容とする電波法及び放送法の一部を改正する法律が2022年(令和4年)6月に成立し、一部の規定を除き同年10月に施行された。このうち、電波法の主な改正内容は以下のとおりである。

○ 電波監理審議会の機能強化

電波の有効利用の程度の評価(以下「有効利用評価」という。)について、これまで総務大臣が電波の利用状況調査の結果に基づき行ってきたところ、技術の進展などに対応したより適切な評価を行うため、広い経験と知識を有する委員から構成される電波監理審議会が行うこととした。

○ 携帯電話などの周波数の再割当制度の創設など

携帯電話などの電気通信業務用基地局が使用している周波数について、電波監理審議会による有効利用評価の結果が一定の基準を満たさないときや、競願の申出を踏まえ、再割当審査の実施が必要と総務大臣が決定したときなどに再割当てができることとした。また、認定開設者に対する認定計画に記載した設置場所以外の場所における特定基地局開設の責務の創設や、電波の公平な利用の確保に関する事項の開設指針の記載事項への追加を行うこととした。

○ 電波利用料制度の見直し

今後3年間(2022年度(令和4年度)〜2024年度(令和6年度))の電波利用共益事務の総費用や無線局の開設状況の見込みなどを勘案した電波利用料の料額の改定を行うとともに、電波利用料の使途についてBeyond 5Gの実現などに向けた研究開発のための補助金の交付を可能とすることとした。

イ 再割当てに係る円滑な移行方法の検討

懇談会の報告書の提言を踏まえ、周波数の再割当てを行う際の課題について更なる検討を行うことを目的として、2022年(令和4年)2月から「携帯電話用周波数の再割当てに係る円滑な移行に関するタスクフォース」を開催し、同年12月に報告書が取りまとめられた。同報告書では、再割当て要望のあったプラチナバンドを念頭に、競願の申出が行われ開設指針を制定することが決定した場合の「移行期間の考え方」、「移行費用と負担の在り方」等を提言している。また、同報告書において示された事項に関する制度整備のため、令和5年3月に、開設指針の制定の要否の決定に当たって勘案する事項及び標準的な移行期間を超える場合の措置について、電波法施行規則等の一部改正が行われた。

ウ 公共用周波数の有効利用に向けた取組

懇談会の報告書の提言において、「公共用周波数の有効利用方策」として、国(関係府省庁)が運用する公共業務用無線局について、「廃止」、「周波数移行」、「周波数共用」又は「デジタル化」という周波数の有効利用に向けた取組の方向性が確認され、その進捗状況などについて当面の間フォローアップを毎年実施することが必要とされたことを踏まえ、懇談会の公共用周波数等ワーキンググループにおいて、2022年(令和4年)3月から6月にかけて、関係府省庁へのヒアリングを含むフォローアップを実施し、関係府省庁による取組は全般的に適切に進捗していることを確認した。

また、同年6月の電波法改正に伴い、関係府省庁の対象システムについて進捗状況を確認するために継続的な調査を行っていくとともに、電波監理審議会において有効利用評価を行っていくこととした。

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