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第2部 情報通信分野の現状と課題
第5節 サイバーセキュリティ政策の動向

(2) 今後の課題と方向性

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために人の移動が制限され、テレワーク活用などが進展するなど、国民による社会経済活動全般のデジタル化の推進、すなわち、社会全体のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進が、より一層重要な政策課題と認識されるようになった。

また、近年、サイバー空間は、厳しい安全保障環境や地政学的緊張も反映しつつ国家間の争いの場となっており、各国では政府機関や重要インフラを狙ったサイバー攻撃が多く発生している。経済社会のデジタル化が広範かつ急速に進展する中、こうしたサイバー攻撃の増大により、情報通信ネットワークの機能停止や情報の漏洩等が生じると、国民の生活や我が国の経済社会活動に甚大な被害が発生するおそれがある。2022年(令和4年)12月には、我が国の国家安全保障戦略が改定され、サイバー安全保障分野における対応能力の向上のため「能動的サイバー防御」の導入が盛り込まれるなど、我が国のサイバーセキュリティ政策の転換点を迎えている。

サイバー空間が公共空間化する中で、IoTや5Gを含むICT(情報通信技術)に係るインフラやサービスは、その基盤となるものであり、社会全体のデジタル改革・DXを推進するためには、国民一人ひとりがその基盤となるICTを安心して活用できるよう、サイバーセキュリティを確保することが、いわば不可欠の前提としてますます重要になっている。

これらを踏まえ、以下で述べるとおり、情報通信ネットワークの安全性・信頼性の確保、サイバー攻撃への自律的な対処能力の向上、国際連携の推進、普及啓発の推進を行う必要がある。

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