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第1部 特集 新時代に求められる強靱・健全なデータ流通社会の実現に向けて
第3節 インターネット上での偽・誤情報の拡散等

4 ファクトチェックの推進

インターネット上の真偽不確かな偽・誤情報に対抗するためには、情報の真偽を検証する活動であるファクトチェックを推進することが重要である。

各国でのファクトチェックの認知度について2022年2月にアンケート調査を実施16したところ、「知っている」(「内容や意味を具体的に知っている」、「なんとなく内容や意味を知っている」及び「言葉は聞いたことがある」の合計)と回答した者の割合は、日本(46.5%)が対象国の中で最も低かった(図表2-3-4-1)。過去調査(3期分)から時系列に比較すると我が国でもファクトチェックの認知度は上昇しつつあるが、諸外国と比較するといまだ低い状況である。

図表2-3-4-1 ファクトチェックの認知度
(出典)総務省「令和3年度国内外における偽情報に関する意識調査」
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ファクトチェックの取組は欧米が先行しており、非営利団体が中心となって取組を進めている。ファクトチェック団体の活動は、ニュースメディアやプラットフォーマーが配信するニュースや情報の真偽のチェックや偽情報の検出が主であり、一部の団体では、プラットフォーマー等と連携し、ファクトチェック用のツールの開発、偽情報対策への協力・助言、メディアリテラシー向上のための活動等も実施している。

また、韓国や台湾などアジアの一部の国・地域でもファクトチェック推進に向けた動きが見られる(図表2-3-4-2)。

図表2-3-4-2 諸外国におけるファクトチェック団体等の取組
(出典)各種公表資料を基に総務省作成
「図表2-3-4-2 諸外国におけるファクトチェック団体等の取組」のExcelはこちらEXCEL

一方、これまで我が国ではファクトチェック活動は限定的であると言われてきた。この背景の一つとして、我が国では、新聞や放送などの取材により組織的な情報編集・発信を行うマスメディアが他国と比べて機能しており、国民が情報を判断するための情報源が存在していることにより、ファクトチェック機関の必要性が国民から強く求められていなかったことが挙げられる。

しかしながら、インターネットを経由して、国外からも真偽不確かなものも含め様々な情報が瞬時に国内へも届くようになったこともあり、我が国でもオンライン上の情報に対してファクトチェックを推進する必要性が急速に高まっている。これらを受けて、我が国でも、ファクトチェックの普及活動を行う非営利団体である「ファクトチェックイニシアティブ(FIJ)」が偽・誤情報の関係者の集う場である「ファクトチェックフォーラム」を設置、国際的なファクトチェック団体への署名を目指しセーファーインターネット協会(SIA)が「Japan Fact-check Center(JFC)」を設立する等の取組が進みつつある。



16 総務省「令和3年度国内外における偽情報に関する意識調査」

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