仮想化とは、複数のハードウェア(サーバー、OS、CPU、メモリー、ネットワーク等)をソフトウェアで統合・再現することによって、物理的な制限にとらわれず、自由なスペックでハードウェアを利用する技術である。どのハードウェアを仮想化するのかによってサーバー仮想化、デスクトップ仮想化、ストレージ仮想化、ネットワーク仮想化など様々な仮想化ソリューションが提供されている。
クラウドサービスの台頭やネットワーク仮想化・自動化の採用拡大、大手企業の戦略的取組を背景に、ネットワークの仮想化技術の進展が世界的に加速している。日本においても、データセンターでのインフラストラクチャ構築、運用の手法として定着していることや、企業内LANでのネットワーク構築や運用の迅速化、効率化の必要性の高まりを背景に緩やかな成長傾向にある。
2021年の国内クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)の市場規模(売上額)は約6,215億円(前年比1.9%減)で2年連続でマイナス成長となり、ベンダー別では、上位から富士通、日立製作所、NEC、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、キンドリルジャパン、NTTデータ、日本ヒューレット・パッカードの順となっている。一方、クライアント仮想化サービス(Desktop as a Service)市場については、959億円(前年比17.6%増)と大きく増加しており、ベンダー別では、上位からNTTデータ、富士通、日鉄ソリューションズ(NSSOL)、IIJ、NEC、日立製作所の順となっている。2021年もプライベートクラウドDaaSに加え、パブリッククラウドを利用したクライアント仮想化サービスが増加しており、この傾向は2022年以降も続くと予測されている16。
【関連データ】国内クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場 ベンダー別 売上額シェア(2021年)
出典:IDC「国内クライアント仮想化関連市場シェア」(2022年7月6日)
URL:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/html/datashu.html#f00136(データ集)
16 https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ49428322