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第2部 情報通信分野の現状と課題
第3節 電波政策の動向

4 先進的な電波利用システムの推進

(1) 高度道路交通システム

情報通信技術を用いて人や道路、車などをつなぐITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)は、交通事故削減や渋滞緩和などにより、人やモノの安全で快適な移動の実現に寄与するものである。

総務省では、これまでVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)やETC(Electronic Toll Collection System:電子料金収受システム)、車載レーダーシステム、700MHz帯高度道路交通システムなどで利用される周波数の割当てや技術基準などの策定を行うとともに、これらシステムの普及促進を図ってきた。

現在、欧州・米国などを中心として、世界的に自動運転の実現に向けた実証・実装が進められているところ、分合流支援などの高度な自動運転の実現には、カメラやレーダー等の車載センサーに加えて、周囲の車や路側インフラ等と情報交換するV2X(vehicle to everything)通信が重要な役割を担うことが見込まれている(図表5-3-4-1)。

図表5-3-4-1 V2X通信のイメージ

我が国では、V2X通信システムとして、世界に先んじて2015年に700MHz帯高度道路交通システムの実用化を進めてきた一方で、世界的には5.9GHz帯を活用したV2X通信システムの実証・実装が進められていることから、「周波数再編アクションプラン」(2022年(令和4年)11月公表)では、5.9GHz帯の追加割当てに向けた検討を進めることとされた。

これらを踏まえ、総務省では、2023年(令和5年)2月より「自動運転時代の“次世代のITS通信”研究会」を開催し、自動運転に関係する府省庁・事業者・学識有識者を交えて、自動運転時代の次世代のITS通信の利用イメージ、それを支える通信の在り方などについて令和5年夏頃の中間取りまとめに向けて検討を進めている。

その他、我が国ITS技術の国際標準化・海外展開に資するため、国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)の報告・勧告案への寄書入力や、ITS世界会議等の国際会議における情報発信、インドをはじめとするアジア・中東地域における我が国技術の普及展開などに取り組んでいる。

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