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第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長
第1節 世界と日本のICT市場の動向

(3)プラットフォーム

コンテンツ・アプリケーションの利用を支える「プラットフォーム」は、インターネット上に設けたリソース(サーバー、アプリケーション、データセンター、ケーブル等)を提供するクラウドサービスが成長を続けてきた。クラウドサービスの普及に伴って、企業のICTに関する意識は「所有するもの」から「利用するもの」へと変化してきた。

クラウドインフラを提供するデータセンターは、動画等のコンテンツ配信サービスの提供・配信基盤ともなるものであり、コンテンツやクラウドサービスの増加に伴って成長してきている。データセンターは IoT化の進展等によるビッグデータの拡大を受けて重要度が増しており、FinTech等金融サービスのICT化においても重要なインフラとなっており、売上高も年10%前後のペースで増加が続いている(図表1-1-3-5)。

図表1-1-3-5 世界のデータセンター市場規模の推移及び予測(カテゴリ別6
(出典)IHS Technology

データセンター事業者の地域別市場規模は、北米が引き続き市場の約半分を占めているが、中国やシンガポールなどアジアでのローカル企業の台頭と、それに伴うデータセンター事業者の投資拡大により、成長が見込まれる(図表1-1-3-6)。

図表1-1-3-6 世界のデータセンター市場規模の推移及び予測(地域別)
(出典)IHS Technology

次に、データセンターの用途のひとつであるクラウドサービス(IaaS, PaaS, CaaS, SaaS7)についてみる。クラウドサービスとは、インターネット上に設けたリソースを提供するサービスである8。コンテンツ配信や電子商取引(EC)などのサービス・アプリケーションから、多様なIoTプラットフォームまで様々なICTソリューションを支えており、企業のクラウド活用の増加に伴い、高成長を遂げてきた。クラウドサービスは、IoTを活用したサービスの重要なプラットフォームであることから、今後も成長が続くと見込まれ、IHSによると、2017年には1,640億ドル、2020年には3,047億ドルに達すると予想される(図表1-1-3-7)。

図表1-1-3-7 世界のクラウドサービス市場規模の推移及び予測(カテゴリ別)
(出典)IHS Technology

地域別動向としては、先行して立ち上がり、最大市場である北米で今後も高成長が見込まれる(図表1-1-3-8)。

図表1-1-3-8 世界のクラウドサービス市場規模の推移及び予測(地域別)
(出典)IHS Technology


6 「クラウド・ICT サービス」:IaaS ほかクラウドサービスを展開するベンダー向け。
「コンテンツ・デジタルメディア」:SNSや電子商取引、動画などのデジタルコンテンツ・メディアサービス業者向け。
「コンテンツ配信ネットワーク(CDN)」:ネットワーク系のICTインフラ提供を主力とする事業者向け。
「エンタプライズ」:官公庁や教育、ヘルスケア、小売業などの一般事業会社のシステム向け。
「金融」:金融機関のシステム向け。

7 「IaaS(Infrastructure as a Service)」インターネット経由でハードウェアやICTインフラを提供。
「PaaS (Platform as a Service)」SaaSを開発する環境や運用する環境をインターネット経由で提供。
「CaaS(Cloud-as-a-Service)」クラウドの上で他のクラウドのサービスを提供するハイブリッド型。
「SaaS (Software as a Service)」インターネット経由でソフトウェアパッケージを提供。

8 シスコ社Cisco® Global Cloud Index(2016-2021)によれば、クラウドアプリケーションの拡大により、2016年から2021年までに世界のデータセンターに係るトラヒックのうちクラウドデータセンタートラヒックの割合は、88%から95%に増加するとしている。

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