日本及び米国のICT投資及びICT資本ストックのデータは、OECD加盟国に関する各種主要統計を公表している「OECD.Stat」から取得した1 。なお、「OECD.Stat」から取得できる各データの実質値は、日本が2011年基準である一方で、米国が2009年基準であるので、ICT投資の比較の際には、各データの名目値と実質値を基にデフレータを算出し、2010年基準に調整を行った。
「OECD.Stat」で公表されているICT投資及びICT資本ストックのデータは、日本は内閣府「国民経済計算(SNA)」、米国はBureau of Economic Analysis「US national accounts」のデータに基づいている。以下の表に日本及び米国のICT投資及びICT資本ストックに含まれる内容を示した。
ICT資本ストックは、日本、米国共に、毎年のICT投資額と各ICT資本財の償却率に基づいて、恒久棚卸法(Perpetual Inventory Method: PIM)で算出されている。但し、各ICT資本財の償却率は、日本と米国で必ずしも一致しないことに注意が必要である。日本のICT資本財の償却率は、内閣府「国民経済計算推計手法解説書(年次推計編)平成23年基準版」において、平成27年の実効ベースの償却率を確認することができる2。また、米国のICT資本財の償却率は、Bureau of Economic Analysis「Depreciation Estimates」、Fraumeni(1997)で確認することができる3。
米国の成長会計分析の結果は、EU KLEMS(September 2017 release)から取得した。EU KLEMSにおける日本の成長会計分析の結果は、「2012 EU KLEMS」が最新となりデータが古いことから、日本の成長会計分析は、内閣府「国民経済計算(SNA)」のデータをベースに分析を行った。以下の表に日本の成長会計分析を行った際のデータ及び作成方法を示した。
なお、実質GDP成長率とTFP及び各生産要素の寄与分の関係は以下の式の通りである。ここで、・は変化率を表す。
本アンケート調査は、日米企業を対象に、企業のICT利活用やICT投資等がイノベーションというアウトプットを生み出し、イノベーションがアウトカム(成果)に結び付くという一連の関係性を分析することを目的として実施した。
1 「OECD.Stat」は、次のURL:http://stats.oecd.org/で確認することができる。
2 内閣府「国民経済計算推計手法解説書(年次推計編)平成23年基準版」は、次のURL:http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/reference1/h23/kaisetsu.htmlで確認することができる。
3 BEA「Depreciation Estimates」は、次のURL:https://www.bea.gov/national/pdf/BEA_depreciation_rates.pdfで確認することができる。