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第2部 基本データと政策動向
第9節 ICTによる行政・防災の推進

(3)災害時の非常用通信手段の確保

東日本大震災の教訓を踏まえて、電気通信サービスの途絶・輻輳対策等が行われているが、災害医療・救護活動のための非常用通信については、地域防災計画等において具体的な記載に乏しく、発災時に必要な通信手段が量・質共に確保されているとは言いがたい。これを踏まえ、総務省は、2015年11月から2016年6月にかけて「大規模災害時の非常用通信手段の在り方に関する研究会」を開催した。同研究会の提言には、配備計画の策定や調達時の指針となる「災害医療・救護活動において確保されるべき非常用通信手段に関するガイドライン」が含まれており、ICTによる災害医療・救護活動の強化に向けて広く活用されることが期待される。

また、災害時等に公衆通信網による電気通信サービスが利用困難となるような状況等に備え、総務省が研究開発したICTユニット(アタッシュケース型)を2016年度から総合通信局等に順次配備し、地方公共団体等の防災関係機関からの要請に応じて貸し出し、必要な通信手段の確保を支援する体制を整えている。加えて、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の枠組みを活用し、関係省庁と連携した更なる機能の高度化や、東京・立川地区での中央省庁の災害対策本部設置準備訓練(2017年10月)をはじめとする実証実験での活用など、ICTユニットの社会実装に向けた取組みを推進している(図表6-9-2-1)。

図表6-9-2-1 ICTユニットの概要

このほか、総務省、その他の国、自治体、主要な電気通信事業者、電力会社等、非常通信に関係の深い2,000を超える機関によって構成されている非常通信協議会では、1951年の設立以降、災害時における円滑な通信を確保するための活動として、非常通信計画の策定、通信訓練の実施、その他の非常通信に関する周知・啓発に取り組んでいる。2017年11月には、国のほか、全国47都道府県、147市町村等が参加する全国非常通信訓練を実施した。

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