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第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長
第6節 グローバル需要の取り込み

(3)ソフトパワーの活用

インバウンド需要の拡大に向けては、前述の受入環境整備に加え、日本への関心や興味を増大させ、継続的に訪日を喚起することが肝要である。そのため、我が国のソフトパワーを生かし、海外に向けた情報発信を強化していくことが必須である。政府は、放送コンテンツを活用し、日本の魅力を発信していくための取り組みを官民一体で推し進めている。

放送コンテンツは、日本の魅力を発信するための具体的な手段として、注目されている。実際に、訪日外国人旅行者が出発前に得た旅行情報源で役に立ったものについてみてみると、各種公式ウェブサイトやSNSに並び、「テレビ番組」(10.6%)が挙げられており、外国人にとって放送コンテンツが重要な情報源となっていることがわかる(図表2-6-3-4)。

図表2-6-3-4 訪日外国人旅行者の出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの(複数回答、10ポイント以上)
(出典)観光庁「訪日外国人消費動向調査」(平成29年)を元に総務省作成

総務省では、放送コンテンツを制作する民間事業者等と、他分野・他産業(観光業、地場産業、他のコンテンツ等)、地方公共団体等の関係者が幅広く協力し、「クールジャパン戦略」、「ビジットジャパン戦略」及び「地方の創生」等に資する放送コンテンツを制作、発信するとともに、様々な連動プロジェクトを一体的に展開する取組を継続的に支援している。

図表2-6-3-5 放送コンテンツ海外展開に関する事業の例11

このように、放送コンテンツの海外展開は放送番組の輸出に留まらず、番組を通じた日本に関する情報発信により訪日観光客の増加、地域産品の販路拡大などの経済波及効果が期待される。例えば、ASEAN6か国を対象とした放送コンテンツ海外展開事業(平成27年補正予算事業)では、事業費(約8.8億円)の約11.5倍に相当する総額100.3億円の経済波及効果がもたらされたと試算されている12。そのうちインバウンド効果は、77.7億円と8割弱を占めている。



11 平成29年度採択案件一覧(大規模型21件)

12 総務省「放送コンテンツの海外展開について」(平成29年12月)

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