職場においてビジネスICTツールはどの程度使われているのだろうか。就労者向けに自分の所属する職場におけるビジネスICTツールについて調査したところ、調査した全てのツールにおいて「導入していない」との回答が最も多くなった(図表4-4-2-2)。また、職場に導入されているものの、「あまり使っていない」「まったく使っていない」と回答した人の割合も、勤怠管理ツールを除いて「積極的に使っている」人より多く、積極的な利用が進んでいない状況が伺える。
ビジネスICTツールの導入状況と利用状況をアメリカ、イギリス、ドイツと比較すると、日本はビジネスICTツールの導入状況、利用状況ともに海外よりも低いことが分かる(図表4-4-2-3)。
ただし、ビジネスICTツールの導入率と積極的に利用すると回答した人の割合を比較すると、欧米も日本と同様に積極的に利用する人の割合は導入済とする回答者の半分程度であり、導入されているものの積極的な利用が必ずしも進んでいない状況にある(図表4-4-2-4)。
ビジネスICTツールの導入及び活用状況と職場の働きやすさ及び社内コミュニケーションとの関係をそれぞれ分析した。
職場での働きやすさについては、ビジネスICTツールの職場への導入の有無と、働きやすさとの関係は統計的に有意差が認められなかったことから、導入だけでは働きやすさとの関係は窺えなかった(図表4-4-2-5)。
他方、ビジネスICTツールを職場で積極的に利用している回答者の働きやすさへの評価は、使っていない回答者の評価よりもより高くなった(図表4-4-2-6)。
以上から、ビジネスICTツールが導入されているだけでなく、それが利用されていることが、より職場の働きやすさとの関係がある可能性が示唆される。
続いて、社内コミュニケーションとの関係については、ビジネスICTツールを職場で導入している回答者の評価が、導入していない回答者の評価よりもより高くなった(図表4-4-2-7)。
同様に、ビジネスICTツールを職場で積極的に利用している回答者の評価も、使っていない回答者の評価より、より高くなった(図表4-4-2-8)。
以上から、ビジネスICTツールが導入され、利用されていることが、社内コミュニケーション活性化との関係がある可能性が示唆される。