まず、調査時点から過去1年間の個人のインターネット利用経験について、2017年調査とスマートフォン普及前の2008年1調査とを比較する。13歳〜19歳(中学生以上)から40代までの世代では、既に2008年にはインターネット利用率が90%以上の高い水準にあり、2017年でもほぼ同水準である。その一方、60代、70代では過去1年間にインターネットを利用したと回答した人の割合が、この9年間で10%以上増加している(図表4-2-1-1)。60代以上のインターネット利用割合の増加要因としては、概ね2008年調査の50代以上の利用割合が、2017年の10歳年齢階層が高い層の利用割合と同程度であることから、新規利用の増加よりも、むしろインターネット利用者の加齢の結果と考えられる。
次に、個人がインターネットに接続する際に使用する端末については、13歳から49歳までと、60代以上ではその種類が異なっている。10代から40代では各年代とも80%程度かそれ以上がスマートフォンをインターネット接続端末として利用しており、この割合は他の端末と比較すると最も多くなっている。次に利用割合が高いのはパソコンであるが、その割合はスマートフォンよりも20%程度低い(図表4-2-1-2)。一方、60歳以上では、パソコンからインターネットに接続する割合が最も高い。スマートフォン利用は、60代で54.8%、70代で37.0%と、年代を経るにつれて急激に低下している。2010年代にはスマートフォンが急速に普及したが、年代が高くなるにつれて、携帯電話(フィーチャーフォン)の利用率が高くなっていることから、これらの年齢層では普及は進んでいないことが分かる。
次に、スマートフォンの個人保有率について確認する。我が国では、スマートフォンは2010年ころから普及が始まった。スマートフォンの個人保有率は2013年から2017年の間に全体で10%以上増加している(図表4-2-1-3)。スマートフォンの個人保有率は多くの世代で増加傾向にあるものの、20代、30代は90%以上の利用者がスマートフォンを保有するのに対して、70代のスマートフォン保有者の割合は18.8%、80代のスマートフォン保有率は6.1%と、世代間の差が大きい。
1 4章3節において平成21年版情報通信白書での調査結果との比較を行うため、参考として2008年(平成20年)との比較を行っている。