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第2部 基本データと政策動向
第6節 ICT利活用の推進

2 情報通信基盤を活用した地域振興等

(1)ICTを活用した街づくり

平成24年度から開始したICT街づくり関連事業を通じ、地方の課題解決に資する単機能型のICT街づくり及び成功モデルの横展開は一定の成果を得つつあるところであり、引き続き普及展開に取り組んでいる。

一方、先進国に共通する課題として人口増を要因とする経済成長は終焉しつつあり、またグローバルな経済連携がさらに強化されることにより、都市は国際的な競争の時代を迎えている。こうした状況の中、新たな活力を発揮するためには、多様な課題を抱える都市における一人あたりの生産性や生活の質(QoL:Quality of Life)を高めることが必要である。一人あたりの生産性の向上は人口減少への対応として有効であり、QoLを高めることは街から人口の流出を防ぎ活力を維持・創出することに寄与する。そのためのツールとしてICTを活用することが有効である。また、昨今の技術進歩でIoT(Internet of Things)やビッグデータの活用により様々な課題解決が可能となりつつあり、このような新しい技術等を活用し生産性やQoL向上を目指し、都市機能の高度化を目指す都市(スマートシティ)が求められている。

そこで、総務省では、平成29年度から大企業やベンチャー企業など多様な主体が参画できるようなオープンなデータ連携基盤を構築し、近隣自治体等へ横展開し波及効果の最大化を図る「データ利活用型スマートシティ」を推進することによって、都市が抱える多様な課題を解決することを目的とした「ICTスマートシティ整備推進事業」を実施している(図表6-6-2-1)。

図表6-6-2-1 データ利活用型スマートシティの基本構想

平成29年度は、6自治体・団体(北海道札幌市、福島県会津若松市、埼玉県さいたま市、神奈川県横浜市、兵庫県加古川市、香川県高松市)で事業が実施された(図表6-6-2-2)。

図表6-6-2-2 平成29年度データ利活用型スマートシティ推進事業 採択事業概要

また、ICTを活用した街づくりに多様な主体が参画できるようになるための環境整備の一環として、海外事例を参考に、地方公共団体が抱える課題と課題解決のための技術やノウハウ等を有するベンチャー企業をマッチングさせるプロジェクト(「StartupXAct(スタートアップエグザクト)」)を平成29年度より開始している。ベンチャー企業は自身の技術を地方公共団体で試すことができ、場合によっては地方公共団体との契約や他の企業からの出資を受けられることが期待される。

平成29年度は4自治体(北海道天塩町、京都府京丹後市、香川県高松市、熊本県熊本市)の地域課題に対し、17社から34件の応募があり、6社(7件)とのマッチングが成立した(図表6-6-2-3)。

図表6-6-2-3 平成29年度StartupXActマッチング結果一覧
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