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第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済
4 我が国がデジタル化で後れを取った理由

(1)ICT投資の低迷

我が国におけるICT投資は、前述のとおり、1997年をピークに減少傾向にある。また、我が国におけるICT投資の8割が現行ビジネスの維持・運営に当てられている35など、従来型のシステム(レガシーシステム)が多く残っており、その頃の考え方やアーキテクチャから抜け出せていないと言われている。

システム開発についても、変化が激しい現代においては、要件が変化することを前提としたアジャイル開発が有効であると言われているが、我が国では、大企業を中心として、最初に綿密な計画を立てた上で、要件定義から設計・開発・テスト・運用に至る工程を順番に行うウォーターフォール型が中心で、変化を前提としたアジャイル開発の導入が遅れている。

これらを背景として、我が国では、オープン化やクラウド化への対応、業務やデータの標準化が遅れ、業務効率化やデータ活用が進んでいない状況にあると考えられる。



35 日本情報システム・ユーザ協会「企業IT動向調査報告書2020(2019年度調査)」によると、2019年度IT予算における現行ビジネスの維持・運営(ランザビジネス予算)の比率は76.7%、ビジネスの新しい政策展開(バリューアップ予算)の比率は23.3%となっている。

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