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第2部 基本データと政策動向
第4節 放送政策の展開

2 放送事業の基盤強化

「放送事業の基盤強化に関する検討分科会」では、ローカル局の経営基盤強化のあり方及び放送事業者の経営ガバナンスの確保の観点から、放送事業者の経営の現状分析・今後の見通し、放送事業者の経営基盤強化のあり方、AMラジオのあり方、放送事業者の経営ガバナンスの確保等について検討を行っている。経営ガバナンスについては、同分科会における検討を踏まえ、2019年(平成31年)3月に、放送事業者に対しベストプラクティス等の共有が行われた。これまで同分科会において、同年7月に中間取りまとめ、同年8月にはAMラジオ放送のあり方に関する取りまとめを策定したところ、これらを踏まえ、2020年(令和2年)7月には「放送事業の基盤強化に関する取りまとめ」を公表した。

「放送事業の基盤強化に関する取りまとめ」では、主に①放送事業者の経営の現状分析・今後の見通し、②放送事業者の経営ガバナンス、③AMラジオ放送の在り方、④ローカル局の事業の拡大・多様化の推進の4つの項目についての提言がなされている。

③AMラジオ放送の在り方については、まず2019年(平成31年)3月に日本民間放送連盟より、AMラジオ放送の営業収入の減少や送信アンテナ等の老朽化の現状を踏まえ、現在のFM補完中継局制度を見直し、遅くとも2028年(令和10年)再免許時までに民間AMラジオ放送事業者の経営判断によってAM放送からFM放送への転換や両放送の併用を可能とすること、実証実験として2023年(令和5年)再免許時を目途にAM放送の先行停波を可能とする制度的措置を行うこと等、総務省に対して要望があった。

この要望を受け、上記分科会において、2020年(令和2年)秋までを目途に総務省が実証実験の考え方を公表し、2023年(令和5年)の実証実験まで(遅くとも2028年(令和10年)再免許時まで)に、総務省、日本民間放送連盟及び各民間ラジオ放送事業者が今後検討すべき課題(カバーエリア、対応受信機、周知広報、周波数の効率的な利用等)に対して取り組むこと等が提言された。

分科会の提言を基に、総務省において、一部のAM親局・中継局を先行停波する実証実験の考え方案を作成し、意見募集の結果を踏まえ、2020年(令和2年)12月11日に「民間ラジオ放送事業者のAM放送のFM放送への転換等に関する「実証実験」の考え方」を公表した。今後は、民間AMラジオ放送事業者がAM放送からFM放送への転換や両放送の併用を可能とするための所要の制度改正等を進めていく。

また、「衛星放送の未来像に関するワーキンググループ」では、我が国の衛星放送を取り巻く現状と課題を整理するとともに、放送の高度化に伴う衛星放送の将来的な在り方等について検討を行う場として、検討会の下、2018年(平成30年)2月から会合を開催し、同年9月に報告書を公表した。

その後、同年12月の新4K8K衛星放送の開始やインターネット動画配信サービスの更なる伸展、同報告書を受けた周波数有効利用のための制度改正、更には新型コロナウィルス感染症拡大の影響等、衛星放送を取り巻く状況は大きく変化しており、新たに議論・検討すべき論点が発生したことから、2020年(令和2年)4月から同ワーキンググループでの議論を再開した。

同ワーキンググループにおいては、「新4K8K衛星放送の普及」、「周波数の有効利用の推進」、「経営環境変化への対応」等について議論が行われ、同年12月に報告書(案)(図表5-4-2-1)を取りまとめた。

図表5-4-2-1 衛星放送の未来像に関するワーキンググループ報告書(案)概要
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