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第2部 基本データと政策動向
第6節 IoT・ICT利活用の推進

3 データ流通の促進

(1)情報銀行の社会実装

個人情報を含むパーソナルデータの適切な利活用を推進する観点から、政府では、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)の下で開催された「データ流通環境整備検討会」において、個人の関与の下でデータの流通・活用を進める仕組みである「情報銀行」(図表5-6-3-1)等について議論が行われ、2017年(平成29年)2月の「AI、IoT時代におけるデータ活用WG 中間とりまとめ」において、官民連携して情報銀行の社会実装に向けた積極的な取組を推進する必要性が示された。

図表5-6-3-1 情報銀行とは

そこで、総務省及び経済産業省は、同年11月より、合同で「情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会9」(以下、「検討会」という。)を開催し、情報信託機能を担う者に求められる要件や認定の運用スキーム等認定制度の在り方について検討を行い、2018年(平成30年)6月に、民間団体等による情報銀行の任意の認定の仕組みに関する「情報信託機能の認定に係る指針ver1.010」(以下、「指針」という。)を取りまとめた。指針は、情報信託機能を提供する「情報銀行」について、民間の団体等による任意の認定の仕組みを有効に機能させるためのもので、消費者個人を起点としたデータの流通や消費者からの信頼性確保に主眼を置いて作成された。指針は(1)認定基準、(2)モデル約款の記載事項、(3)認定スキームから構成されており、これに基づき、認定団体である「一般社団法人日本IT団体連盟」が、2018年(平成30年)6月に第一弾となる「情報銀行」認定を決定した。その後、実証や各企業における事業の検討等による事業の具体化や指針に基づく認定の開始等を踏まえ、情報銀行に関する基本的な考え方やデータ倫理審査会の役割等の論点について、指針の見直しを行い、同年10月に「情報信託機能の認定に係る指針ver2.011」を取りまとめた。2020年(令和2年)11月から2021年(令和3年)3月にかけては、認定・運用の過程で生じた課題について、検討会のもとに開催したワーキンググループで集中的に議論を行い、同年4月から検討会において指針の見直しに向けた検討を開始した。

2021年(令和3年)4月現在、認定の受付が開始されてから計7社に対し認定が決定され、2のサービスが既に提供を開始している。

これまで総務省では、情報銀行の社会実装に向けて、モデルケース事業を通じた情報銀行の運用上の課題の抽出、解決策の検討等を行い、指針の見直しに反映してきた。2020年度(令和2年度)は、健康・医療分野の要配慮個人情報の活用に必要なルール検討のための実証事業や、情報銀行間のデータ連携に向けた機能標準化に資する実証事業、データ倫理を担う人材の育成を実施し、今後はこれらの結果を踏まえ、指針の検討・見直しを進めていく。また、情報銀行を活用したデータポータビリティの実現や情報銀行の国際展開にも取り組むことが期待されているところ、2021年度(令和3年度)以降は、これらの検討に資する実証事業等を実施する。



9 情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会:
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/information_trust_function/index.html別ウィンドウで開きます

10 情報信託機能の認定に係る指針 ver1.0(案)に対する意見募集の結果:
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin01_02000250.html別ウィンドウで開きます

11 「情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会取りまとめ(案)」に対する意見募集の結果、取りまとめ及び「情報信託機能の認定に係る指針ver2.0」の公表:
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin01_02000290.html別ウィンドウで開きます

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