●情報通信業を営む企業の売上高は50兆円を超え、企業数は5,714社
情報通信業に係る2019年度の売上高は51兆6,459億円(全社の売上高は70兆3,384億円)で、構成割合をみると、電気通信業が34.0%(前年度差0.6ポイント減少)、ソフトウェア業が31.6%(前年度差1.2ポイント増加)となっている(図表4-1-6-1)。
情報通信業を営む企業(主業か否かを問わず少しでも情報通信業を営んでいる企業をいう。)の数は5,714社で、営業利益は6兆3,194億円、経常利益は7兆269億円、保有子会社・関連会社数は10,118社となっている(図表4-1-6-2)。
●12業種中8業種で、資本金が「1億円未満」に属する企業が6割以上を占める
情報通信業を営む企業の構成割合について、資本金規模別にみると、12業種中8業種で「1億円未満」に属する企業が6割以上を占めている。特に映像情報制作・配給業、音声情報制作業、広告制作業では、「5千万円未満」に属する企業が4割以上を占めている(図表4-1-6-3)。
●情報通信業を営む企業の労働生産性は1,413.1万円/人
情報通信業を営む企業の労働生産性22は1,413.1万円/人(前年度比5.9%増)、労働装備率23は1,427.9万円/人(前年度比17.4%増)、労働分配率24は40.4%(前年度差1.1ポイント減少)となっている(図表4-1-6-4)。
労働生産性について業種別にみると、電気通信業(4,084.8万円/人)、有線放送業(2,470.8万円/人)、民間放送業(1,733.5万円/人)の順となっており、情報通信業の中では、特に通信・放送業が高くなっている。また、全産業の労働生産性と比較すると、情報通信業における労働生産性は平均よりも高い水準にあるといえる25。
21 情報通信業基本調査においては、情報通信業を営む企業全体について、企業の営む活動内容に着目した結果(アクティビティベース)と主たる事業内容に着目した結果(主業格付けベース)の両面で取りまとめている。
22 労働生産性=付加価値額÷従業者数 従業員一人当たりの付加価値額をみる指標。
23 労働装備率=有形固定資産÷従業者数 従業員一人当たりどれだけの資本(有形固定資産)を使用しているかをみる指標。
24 労働分配率=給与総額÷付加価値額×100 生み出された付加価値のうち、どれだけ人件費に分配されたかをみる指標。
25 法人企業統計調査結果(令和元年度)(2020年10月30日公表)によると、全産業(金融業、保険業を除く)の労働生産性は715万円となっている。